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その6

■よっさん

『突然のメールで失礼します。ブラディ社のボリス氏にあなたのメール・アドレスを教えてもらいました。私は、TOTOの1982年ワールド・ツアー日本公演のリハーサル・ホールで、あなたのご子息のジェフに会い、それ以来ずっと彼の大ファンです。特に、晩年のジェフのプレイが大好きです。 しかし、あの辛い1992年が……。ご冥福をお祈りしております。

 私は晩年のジェフの事を調べているうちに“ブラディ社のドラム”に出会いました。昨年は、クリス・ブラディ氏にお願いをして、長い時間かけてジェフの為に特別に作られた、“ソリッド・ウッド・スネアー”と同じものを作ってもらい、大切に使っています。そして、ジェフがブラディ社製のドラム・セットをも使っていた事を知りました。今、そのドラム・セットの購入を考えているところです。そこで、少しお願いがあります。ジェフにはパール社との契約があったので、公にジェフとブラディ社を結びつける資料が何も無いのです。これについて、もし、あなたが何か覚えていることがありましたら教えて頂けないでしょうか? ジェフがブラディ社製のドラムについて語った事とか? どのセッションで使ったとか? そして、どのようなドラム・セットを使っていたとか? それが、今どこにあるのか? ドラム・セットの写真とか?  小さなことでも構いませんからお願いします。私の夢の為にぜひお力を貸し下さい』

■ジョー・ポーカロ

『ジェフについてやさしい言葉をありがとう。

私の聞いたところ、ジェフの妻スーザンは彼が使っていたドラム・セットは、フロリダの倉庫にあると思っているようだ。残念ながら、ブラディ社製のドラム・セットについてはジェフからは何も聞いていないので、実際にレコーディングに使ったかどうかは分からない。

 Happy Drumming(ドラムを楽しんでね)』

なんとも、大胆不敵と言うか? 怖いもの知らず言うか? Eメールの良いところと言うか? 我ながら、こうやってまとめながらも“無茶したな〜”って、少し感じてます。果たして返事が来るのやら……来れば儲けもの! 来なくて当たり前! そんな感じでした。戻って来た内容には……ですが、“答えてもらえた!” それだけで、最高に嬉しかったですね。だって、こんなに偉大な方とお話しが出来たんですもの。それに、最後の“Happy Drumming”、この言葉も胸に染みましたね〜! やはり、よっさんが言葉の揺さ振りにもろい所が露呈されましたな〜(爆)

そして同じ頃、ロス・ガーフィールド氏にもメールを出してみたのですが、こちらは返事がありませんでした! 残念。

■よっさん

『今まで色々とありがとうございました! 今は亡きジェフ・ポーカロとあなた方ブラディ社との関わり、そしてドラムに対する思いがよく分かりました。そこで、最終の価格の問題です。

ジャラ・プライのドラム・セット(シルバー・ギムレット / ハイグロス・フィニッシュ


 8" × 8"



10" × 9"



12" × 10"


14" × 14"


16" × 16"



22" × 18"



10" × 5.5""
ジャラ・ブロック・スネアー


12" × 5.5"
ジャラ・ブロック・スネアー

14" × 5.5"
ジャラ・プライ・スネアー

14" × 5.5"
シーオーク・ブロック・スネアー

 このセットで、出来るだけ、本当に出来るだけの値段では幾らになりますか? あなた方の、可能な限りの安い値段を教えてください! できる事なら、是非“このジェフの所有していた上記の全て”が欲しいのですが、値段によっては、諦めなければならないかもしれません。是非、ボリスさん、私の“Life-Long Drums”の為に、出来る限りの検討をお願いします』

■ボリス

『あなたが夢のドラム・セットを手に入れる決心をするに足りる情報を受け取り、納得してくれてとても嬉しい。シルバー・ギムレットの化粧板はいつ頃出来るか確約は取れていないが、今週末には、お知らせできるかもしれない。値段については、前にも言ったように、これは工場直の特別価格です。トータルで$****ですが、大きなオーダーですし、あなたの予算もあるでしょうから、ギリギリで$*+*+にしてあげる事が出来ます。この値段には、あなたの手元までの全ての輸送費用と通関にかかる費用を含んでいます。日本の税関が直接あなたに請求する輸入関税は含んでいません。半額は前払いで、残金は船積みの時にお願いします。いつ頃出荷が出来るかは、化粧板次第です。心から、あなたのスペシャル・ドラム・セットを作れるチャンスが来る事を待っています。どうするか決まったら教えてください』

遂に、値段交渉に入ってしまいましたね(笑)
ま〜、ある意味ここが一番重要な部分でもありますし、折り合いがつかなければ止めればいいし。
でも、ここまでくると引っ込みがつかないですよね。(微笑)

■よっさん

『早速のお返事ありがとう。しかし、残念ながら予算を大きくオーバーしたので、14”のスネアーの内のどちらかを諦めなければなりません。その上で、残りのセットをなんとか$*△*△で作ってもらえないだろうか?

 1992年のNAMMショーに展示したのはどちらのスネアーか教えて下さい』

■ボリス

『お返事ありがとう。私の見積りが予算オーバーとの事、申し訳無い。以前のメールを読み返すと、私は、このドラム・セットに10”×5.5”のブロックスネアーを付けて$○×○×と言ってますね。更に、12”と14”2つ加えて、究極の価格ははUS$*○*○です。もし、まだ予算オーバーならば、14”を1つ減らしてUS$***○ジャストでもいいですよ。1992年のNAMMショーに出したのは、ジェフのセットによく似合う、14”のジャラ・プライ スネアーの方でしたが、14”のシーオーク ブロック・スネアーも、とてもユニークなスネアー Drumなので、どちらがいいのかを決めるのは難しいですね。あなたの都合のよい時に、結論をお知らせ下さい』

“ユニークなスネアードラム”という言葉が妙に、“やっぱり、あの音(”Love Has The Power”、”Animal”)に違いないのかな〜?”と、考えずにはいられなくなりました。が、“スネアーが4台もいるの?”まさに、自問自答ですよ。事実、一度に沢山買い過ぎると使わない? 使えないですしね、勿論、予算もあるし…。後は、特に交渉事なので相手のペースに巻き込まれない様に、出来るだけ、こちらの希望で事を進めるように(現に、私の提示金額へ歩み寄ってくれてるし)折り合い地点を探す為、迷走しながらのメールは続く。

■よっさん

『どちらを選ぶか難しいですね。ジェフが最初に手にした14”×5.5”シーオーク・ ブロック・スネアーは、いつ手に入れて使い始めましたか?』

■ボリス

『ジェフが14”×5.5”シーオーク・ブロック・スネアーを受け取ったのは1989年で、彼がブラディ社のドラムスに目覚めたキッカケとなった、最初のセットの内の1つだった。彼は、それを確実に何回かはレコーディングに使っています。

 14”×5.5”ジャラ・プライ スネアーの方は、1992年にドラム・セット一式と合わせて受け取っています。今日、シルバー・ギムレットの化粧板はまだ供給可能という確約を得ました。イタリアからここに届くのに2ヶ月は掛かりそうです。ですから、あなたのドラム・セットは正式な発注・前金の支払いがあった後、約3ヶ月でお届け出来るでしょう。取り急ぎお知らせを』

問いかけると同時に、聞きたかった最後?の質問をしたところ、“1989年”でした。“彼がブラディ社のドラムスに目覚めたキッカケとなった、最初のセットの内の1つだった。彼は、それを確実に何回かはレコーディングに使ってます。”なるほど! 実際には、12”×5.5”or 12”×7”のジャラ・ブロックか14”×5.5”のシーオーク・ブロックのどちらが先だったのでしょうか……。

以前“The Ark of the Covenant”の冒頭辺りで書きましたが、1988年〜1990年辺りのジェフは、色々と試行錯誤をしていたのでしょうか? 2002年に発売された米MODERN DRUMMER誌 8月号でも、ジェフのドラム・テクニシャンを勤めたパール・ジェイミンソンも、1975年〜1988年の間だと書かれてるみたいだし(その間レコーディングでは、かなりの確立でグレッチのセットを使っていたみたいだし……。ふぅ〜っ、1988年までの括りが無ければ、私? いや! クリス、並びにボリス、ひいては、ブラディ社全体の信頼・信憑性が無くなるところでした。私達には分からない、大きな環境の変化みたいなものがあったのかも? 結局は、“当たるも八卦!当たらぬも八卦!”てな感じで、シーオーク Blockも購入リストに! “神様(ジェフの事)、どうか、あの音でありますよ〜に!”と祈りを込めて。

《よっさんの疑惑−その8−シーオークのブロック・スネアーはいつ手にしたのだろうか?》

1989年でした。

これで疑惑は、《よっさんの疑惑−その1−ジェフはジャラ・プライのドラム・セット を本当に使ってたの? 》を除いては全て解明されましたね。この解明は、事実上、証拠品での確認は不可能に近いので、この時点で、諦めました。

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