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その1
 はじめに、「また、よっさんお前か!」と思われている方がいらっしゃるかも知れません。が、皆さん覚えてらっしゃいますか? 前回の『The Ark Of The Covenant』リンク先を参照する。での始まりの言葉!

「I would like to know about Jeff Porcaro's original Drumkit and if possible, please inform me. The price of your Solid Wood Snare 13"×5"」。

 そうです! ソリッド・ウッド・スネアーの価格と一緒に、ジェフがブラディ社製のドラム・セット自体も使用していたんじゃないかという推測のメールでしたよね?

 これは大変に非公式な話しなのでありますが......やはり! ブラディ社製の"ジェフ・ポーカロ・オリジナル・ドラム・セット"は存在したのです。そして、そのセットの存在を確認する為に、幾度ものブラディ社との対話に付随し、ジェフとパール社との契約上、あまり知られていない晩年のジェフの情報が少しばかり入手出来ましたので、この約2年6ヶ月に及ぶ対話というか、殆どマニアのインタビュー(笑)に近いものもありますが、それらをまとめて、皆さんに報告したいと思い、またまた、管理人さんを泣かせにやって来ました!

 今回はメールでやり取りをした実際の日時を入れてませんので、純粋に「物語風」に楽しんで下さい。私の好きな映画は『ゴッド・ファーザー』。その中でもパート2の最後の食卓のシーンの様に、画面上の人物の言動で、本当は出演していないマーロン・ブランド(ギャラの折り合いがつかなかったらしいが、どうしてもドン・コルレオーネの威厳が欲しいが為の苦肉の策だったみたいですが......?)が、あたかもいるかの様に錯覚させる場面がありますね。それと同様にこのレポートにはジェフ本人の登場はありませんし、ジェフ自身のコメントも一切ありません。はたまた、この件に関してこれから先も本人に確認する事すら許されません(笑) ですから、私達の対話の中に少しでも“あなたの知らないジェフ・ポーカロ”を感じていただければ幸いです。

 メール内容が一部『The Ark Of The Covenant』との重複する部分もありますが、今回のものがディレクターズ・カットならぬ「よっさん’ズ・カット」です。そうです、ブラディ社との全メールの内容がここにあります。プラス、《よっさんの疑惑》と題して、サスペンスとまではいきませんが、メールの内容に対しての素朴な疑問を解き明かしながら話しを進めて行きますので、宜しくお願いします。では、前説はこれ位にして話しを始めましょう。

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■よっさん

『ジェフが使用したブラディ社製のドラム・セットの事を知りたいのですが? それと、ソリッド・ウッド・スネアー 13"×5" の値段を教えて下さい』

■ケリー

『メッセージありがとう。ジェフ・ポーカロはクリス・ブラディの親しい友人でしたので、亡くなってしまいとても残念です。ジェフのドラム・セットはジャラ・プライで作られており、シルバー・ギムレットの仕上げでした。サイズは次の通りです。


 8" × 8"



10" × 9"



12" × 10"


14" × 12"


16" × 14"



22" × 18"



10" × 5.5"
ジャラ・プライ / シルバー・ギムレット スネアー

12" × 7"
ジャラ・ブロック・スネアー


13" × 5.5"
ソリッド・ウッド・スネアー

13"×5.5"のソリッド・ウッド・スネアーは彼の特注品でした。彼は、いつもそれをベッドの下にしまっていて、"The Ark Of The Covenant"と呼んでいました。私はブラディ社が再びジャラ・プライのドラム・セットを世に出せるようになったことをお知らせ出来て大変嬉しいです。我々はあなたがジェフと同じドラム・キットをお望みならば、ソリッド・ウッド・スネアーでも作る事が出来ます。このスネアーの値段は木材や寸法に関係無く、全て同じ値段です。ご希望のサイズを教えていただければ、あなたに特別価格でお見積もりをいたします』

 「来た、来た!」、正直に言ってこのメールを貰った時は本当に嬉しかったですね! が、皆さんもそうでしょうが「ジェフ = ブラディ = 10"、12"のスネアー」ですよね? 13"×5.5"のソリッド・ウッド・スネアーは彼の特注品? ブラディ社のホームページに掲載されているサイズ(深さ)とも違っているし? まっ、それは許せるとして。ジャラ・プライのドラム・セット? 何で8"インチのタム・タムがあるの? 13"インチのタム・タムは? 何で深胴なの? こんなの知らね〜よ! 見た事ね〜よ!! およそ、ジェフのセットとはかけ離れた内容に私の頭の中は、“ふ〜ん? そう? え〜っ? 嘘でしょ? ねっ…… こんな訳ないよ? 信じろって言う方が無理でしょ、このセット!”なのでした。

《よっさんの疑惑−その1》

まずは、これですよね! ジャラ・プライ・キットを本当に使ってたの?

《よっさんの疑惑−その2》

あれ? 10" × 5.5"のスネアーってプライ・シェルなの? しかも色がシルバー・ギムレット?
写真では木目のブロック・シェルだと思ったんだけど……。

《よっさんの疑惑−その3》

タム・タムのラインナップがいつもと違い、8"インチのタムがあるが、13"インチのタムが無い! しかも、微妙に10"、12"が深胴だしぃ......。

 実はこの時期に、友人にこのJeff's Worldを教えてもらい、管理人さんとお知り合いになったのです。そして、何に気なくいろんなページを覗いていたところ、『Drum Gear』にあるロス・ガーフィールドの記事に遭遇リンク先を参照する。 「彼はブラディ社にドラム・セット一式を注文したこともあったはずだ」の一文を、発見! そしてそして、リットーミュージック社刊『ドラム・ブラザー』には、あれだけ愛読していたにも関わらず何故今まで、目に入らなかったのでしょう? ビル・シーニュのインタビューには、「晩年の彼はオーストラリアで作られたハンド・メイドのドラム・セットを使用していたが……」を、知識として理解したのも、この頃だったような気がします......。

 ですが、後にも先にも「ジェフがブラディ社のセットを使用していた」なる記事は、私の知っている限りではこの2つだけでした。それとブラディ社関連で言えばTOTOのアルバム『Kingdom Of Desire』に"Thank you Chris Brady for your superb craftsmanship and instruments"と書かれていますね。それと、リズム&ドラム・マガジン誌でのジェフ本人のインタビュー、「オーストラリアのブラディ社製の10"インチのスネアー、小さいやつね」等々。私の知るジェフとブラディ社を繋ぐのはこの4点だけでした。

 ブラディ社のホームページにある"Product Range"のPly Shell スネアーの項に「Listen to the TOTO album "Kingdom of Desire" and the GO WEST single "King of Wishful Thinking" as featured on the Pretty Woman Soundtrack, for excellent examples of a recorded Jarrah Ply Drumkit」とありますが、直接の名前は書かれていませんが……、これってジェフの事ですよね? そうですよね? 実はここにも……。

《よっさんの疑惑−その4》

TOTOの『Kingdom Of Desire』でジャラ・プライのドラム・セットを使用?

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