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その3

■よっさん

『"ジェフ・ポーカロ・ソリッド・ウッド・スネアー"が11月9日に私の手元に届きました! とても綺麗ですね! しかも、丁寧に仕上げられており、作られた方やあなた方の会社への愛情が深く感じられます。ボリスさん、色々と不満のメールなどであなたを困らせましたが、常に紳士な態度での対応、本当にありがとうございました。スネアーが届いた夜は"ジェフ・ポーカロ・ソリッド・ウッド・スネアー"を抱きかかえて眠りました! そして次の日は、早速ライブで力一杯叩きました。音とか鳴りとか音楽的な事はまだまだこれからですが、とにかく、ジェフがこのソリッド・ウッド・スネアーに何を思い、何を表現したかったのか、これから何年かかるか分かりませんが、私なりに叩きながら会話をしたいと思います。

ところで質問なのですが、シリアル・ナンバーがNo.8になっていますがNo.5ではないのですか? 是非、教えて下さい。

さてドラム・セットの件なのですが、前向きに検討しています。が、何しろ高い買い物なので迷っています。実際、前から言っていますようにジェフ自身が使用していたということが確認が出来ないことも一つの大きな要因です。出来れば、ジェフとドラム・セットが一緒に写っているものがあればベストなのですが、無ければ、“これがNAMMショーに出品したジェフのドラム・セットです!”と、分かる写真がないでしょうか? どうか私の心に勇気を与えるような写真を!』

■ボリス

『あなたが、あなたの新しいベイビーを気に入ってくれた事が大変・大変嬉しいです。発送を延期して待たせたことは、本当に申し訳なく思っていますが、前にも申し上げたようにソリッド・ウッド・スネアーは特別なのです。結果的には、いつも待たせた甲斐があるのです。

シリアル・ナンバーがNo.8であることについてですが、それはサイズが違うものが他にも作られている為です。ジャラの13”×5.5”インチのソリッド・ウッド・スネアーは5つしかありません。1つ目はジェフ・ポーカロの為に、2つ目はDony Wynnの為に作られました。その後、クリスが1998年に再び作り始め、以来、計8個作られています。これがNo.8という数字の根拠です。残りの内の1つはレバノンのベイルートへ、後は全てスイスに送られました。あなたの物は、ジェフが使用した物と同じスペックとしてはNo.5なのです。残りの3つの内で、2つは14”インチのジャラで、もう1つは13”×7”のWandooです。

ジェフとシルバー・ギムレットのドラム・セットの写真については、NAMMショーで確かに写真を撮っていたロサンゼルスの友人から手に入れる事を試みていますが、写真の証拠を見せられるかどうかは、確かな約束は出来ません。あなたが気にしていることは分かりますが、これだけは言えます。私達のドラム・セットは、音において全くユニークで、市場の他の物とは音が違います。私達以外で証拠を持っている可能性があるのは、ジェフ・ポーカロのドラム・メンテナンス会社であるロス・ガーフィールドのドラム・ドクターズ社か、ジェフの父ジョー・ポーカロか、弟のマイク・ポーカロ位です。私は正直なところ、彼等がどの様に協力し合っているのかは知らないのです。某フランス人が運営しているジェフ・ポーカロのサイト『Summary / Sommaire』に前述のNAMMショーでクリスとジェフが撮った写真が掲載されています。一度見てみて下さい。クリスとジェフが写っている写真をダブル・クリックして、画面一杯に拡大してみて下さい。ドラム・セットが彼らの右後にある筈なのですが、多分、よく見えないでしょう……。私はその写真が撮られた時、そこに居たのですが、今となっては、もっと沢山写真を撮っておけばとよぁったと思ってます。こんなことになるのなら……。とにかく、写真が見つかったらあなたにお知らせます。ですから私達には「絶対に嘘は言ってません」としか言えません。嘘をつく理由が無いのです。私達のドラム・セットは他の物とは全く違うのです。音も違います。だからこそ、ジェフ・ポーカロに気に入られ、彼に注目されたのです。もし、あなたが本当に唯一の音を求めているのなら、世界中のどこの会社にも匹敵する物はありません。これ以上、探す必要はありません。私達のスネアーを愛する人々は、私達のドラム・セットの音を聞いたら熱狂的なファンになります。それは私達が作ってきた全てのセットに通じることでもあります。いつか、あなたの本物のドラム・セットを作れる事を願っています』

実は、こんなに長いメールだったんですね〜(笑) しかし、日本人的にはかなりこっ恥ずかしい位の愛社精神というか、セールス・トークというか、一体その自信はどこから来て、どこへ行くのやら……(笑) それにロス・ガーフィールドやジョー・ポーカロ、マイク・ポーカロとどうやって連絡を取ればいいんだろう? それと、NAMMショーの写真!  “見えないよ〜! 写ってないよ〜!”。 これで確認して欲しいのかもしれないけど? 無理(笑)

《よっさんの疑惑−その6》

ひょっとすると、ロスやジョーのメール・アドレス知ってるのかも?

そして、皆さんご存知のクリスからの突然のメールです。スネアーも無事手元に来て、やっと落ち着き、“少しは、ジャラ・プライのドラム・セットを購入を考えてもいいかな〜? でも、その前に色々聞いてみよう……。そう、聞くだけは無料だし”と、思っていた矢先の出来事でした。どうです、かなり深みにはまって来てるでしょう?

そう、このページを読んでいるあなた! あなたもですよ!

■クリス

『あたたかい言葉をありがとう。もっと早くあなたにコンタクトしなかったことを謝らなければなりません。ジェフもこのスネアーを手に入れるまでは長い間待たなければならなかった。これらの過程は急ぐ事が出来ないのです。これは生き物なので、成熟するのに約12ヶ月位かかるのです。そして、やっと良くなって来るのです。時間がなかったので、あなたのスネアーに最後の乾燥をかけられなかった。よって、まだ後12週間ぐらいは本物の音ではないでしょう。

ボトム・ヘッドについてはチューニングの必要はありません。このスネアーのベストなスポットは力一杯張ったボトム・ヘッドなのです。トップのヘッドもかなり高めにすべきです。あなたにはそこがベストだと聞いて分かるでしょう。このタイプのスネアーは叩いている人が感じるより、もっと豊かな木の響きを持っています。チューニングをしたら2〜3メートル離れて聞いてみると良いでしょう、あなたが思う程に高い音はしない筈です。

それと、あなたが知りたがっているジェフのドラム・セットのことですが、ジェフは私にそれをありとあらゆるセッションに使ったと語っていました。私は彼を良く知っているので、彼の言葉は本当だと分かります。ドラム・ドクターズ社がロサンゼルスから私に電話で、ジェフのセッション・ワークが日々続く時は、自分達のメンテナンスも大変だと文句を言って来たことがあります。我々は同じドラム・セットをもう一つ作る事が出来なかったので、彼等がどうやってやり繰りしたのか、私には分かりません。

私は幸運にも、彼が始めてこのドラム・セットを使ってセッションに臨んだレイ・チャールズのセッションの時、スタジオでジェフに会ったのです。彼が一つ一つのドラムを叩いた時に表した喜びようは、一生忘れる事が出来ないだろうと思います。

私には、ジェフが本当にそのドラム・セットを叩いたという証拠の写真はそれ程重要ではないように思う。本当かどうか、どうしてそんなに心配するのだろうか? 私は、あるジェフの大ファンで、最近ジョー・ポーカロ氏に、「どうやったらジェフのような音が再現出来るのか?」と尋ねたという人からのメールを持っている。ジョー・ポーカロ氏は、「その音は私(クリス)の手作りなので、再現は出来ないと」彼に語ったようだ。だからこそ、その彼は私にコンタクトをして来たのだ。そのメールをあなたに送ってあげよう。

それはそうと、私はジェフのドラム・スティックをこちらに持ってきた筈なので、もし見つかったら、それをあなたに差し上げよう。あなたはジェフへの忠誠と、彼が与えているインスピレーションからして、これを受け取るにふさわしい人物だと思える。あなたの“可愛いやんちゃ坊や”が、どんなパフォーマンスをしているか、また教えて下さい。

 ブラディ・ファミリーへようこそ』

これは嬉しくて身震いしそうな位、驚きのメールでした。そして、少しずつではありますが、ジェフの使用したブラディ社製のドラム・セットが存在をしていたんだな〜、っと思えるようになって来ていました。そして、このメールで間違い無くレイ・チャールズとのセッションではジャラ・プライのドラム・セットを使用したこと、そして、クリスとジョー・ポーカロとは親交があることも分かりました。それと、何か分かりませんがジェフのスティックをくれるみたい! かなりワクワクしながらの毎日だったのです。

■よっさん

『メール本当にありがとうございました! まさか、あなたから直接メールを頂くなんて! 何度も言いますが、あなた方、ブラディ社の紳士で友好的な態度には驚かされます。

ボリスさんから聞いているかもしれませんが、私は、TOTOが行った1982年の日本ツアーの際、リハーサルの時にジェフに会ってからというもの、長年のジェフのファンです。特に、1988年〜1992年に掛けてのプレイが大好きなのです。

その頃のジェフが行ったセッション等を聞くと、スネアーやドラム・セットが今までに無いサウンド、タイトでありながらも、もの凄く温かみのある木の音である事に気付きました。でも、それが何なのかはまるで分かりませんでした。しかし、"ジェフ・ポーカロ・ソリッド・ウッド・スネアー"の存在を知り、そしてあなた方とコンタクトを取って行くうちに、遂に、ジャラ・プライのドラム・セットの存在を知りました! “これだ! この音に違いない”私はその時、長い間疑問に思っていた事がすべてクリアーされたように思いました。勘違いして欲しくないのですが、私は、ジェフがジャラ・プライのドラム・セットを使っていたかどうかを疑っているのではありません。ただファンとして、ジェフが楽しそうに、そのドラム・セットに座っている姿が見たいと思っただけです。しかも、そのドラム・セット自体を見る機会が無いので、全体のセットの印象も知りたいのです。実際、ジェフと同じセットを持っている人はいますか? 更に、私がそのドラム・セットに興味があるのは、ジャラという材質によるものです、たとえジェフが使ったとしても、メイプル・シェルであれば、欲しいとは思わなかったでしょう。ましてや、例え全く同じドラム・セットを叩いたとしても同じ音にはならない、ドラムの音はその人の個性だと思います。同じ音が欲しいのではなく、世界中の数々のドラムを叩いたジェフが、このドラム・セットからどんなインスピレーションを感じたのかを知りたいのです。

最後に“私の可愛いやんちゃ姫”は、いつも私の部屋にいます。夜は必ず、私の膝の上で一緒にTVを観たり、音楽を聞いたり……一緒に楽しい時を過ごしています。そして大抵、週末にはライブや練習に車で一緒に出かけています! クリスさんのメールが私の心に希望と勇気を与えてくれました。近い将来、あなたにジェフと同じドラム・セットをお願い出来るように検討します。その時は、是非あなたの力が必要です』

■クリス

『お返事ありがとう。小さなおてんば娘さんが、あなたを私達のファミリーにしてくれている。だから、私もいつもあなたの傍にいます。

 チャド・スミス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、アーロン・カムス(スピン・ドクターズ)、ゲイリー・ノバックの3人が、そのドラム・セットを持っています。ボリスがあなたにそのセットのデモを送ると思います。TVスタジオで公開されているものです。ジェフが私にくれたスティックを送りましょうか? とても忙しいので、短くてすいません……』

とにかく、メールにも書いていますが、ただ単に“ジェフと同じものが欲しい〜!”というだけのものではないのです。それと同じ位、ジェフがジャラ・プライのドラム・セットに座り、叩いた時の驚きを体感してみたかったのです。そこから感じる事はジェフと同じではないでしょうが、今までに叩いた事の無い未知のジャラを知りたいと思ったのです。

このメールによって、私的には本腰が入った気がします。今まで疑問に思っていた事を出来るだけクリアーして納得出来たら……? と言いつつも、まだまだ? そんな〜! 買いませんよ……? あ〜、迷い。

ではでは、ジェフのほんの一部に小さなメスを入れて行きましょうか。

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