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Jeff talk about his drumset
1981
(注1) ヤマハのセットの全景を捕らえた写真です。
 では、ここでジェフの使用したヤマハのセットについて少し考察してみます。とはいえ私にはドラム・セットを鑑定するような知識はございませんので、いつものようによっさん、RED氏にお願いをして鑑定していただきました。
 さて、その結果ですが、推察も込めてということですが、バス・ドラムのペダルが "グレッチ" 製のものであることを除けばスタンド類も含めてオール・ヤマハではないでしょうか? では、ビデオからのスクリーン・ショットや公開されている写真を中心に眺めてみましょう。まず "Goodbye Elenore" のプロモ撮影時の、ヤマハのセットの全景を捕らえた写真です (注1) 。これは何回見ても痺れちゃうんですよね。カッコイイ〜
 基本的には、当時のヤマハの最高峰のシリーズの YD-9000R で、カバ材を用いて入念に仕上げられたシェルはソリッドでシャープな音質が特徴というものでした。10" のタムからはじまり、バス・ドラム上に12" 、13" の2個のタム・タムがセットされ、そこから14"、16" のフロアーが並びます。そして22" のバス・ドラム。これらは全て深みのある素晴らしいソリッド・ブラックというシリーズ専用色で仕上げられています。ちなみにバス・ドラムのリムはウッドリムでシェルと同色で塗装されておりました。当時はリムがシェルと同色に塗られているというのはヤマハだけだった記憶があります。
(注2) スティーブ・ガッドさん
 これはカタログに掲載されていたソリッド・ブラックのです。モデルの方はスティーブ・ガッドさんです (注2)。面白いのはガッドはタム同士の間隔が非常にぴっちりとしていますが、一方のジェフは結構間隔を開けてセッティングされています。
 ジェフはスネアーにもかなりのこだわりを持っていると思いますが、ここではヤマハの YD-9000R シリーズの、タム類と同色のウッド・シェルのものを使用しています。
 ドラム・ラックがないので、足回りはかなり煩雑な様子です。ひとつ気になるのが、ハイ・ハットの直ぐ横にある小型の機材です。リズム・マシンか小型のミキサーのような形をしてますが...。

 前頁の欄外の(注6) の写真も同セッション時と思われますが、ご覧のように、バス・ドラムのヘッドには "YAMAHA"、"TOTO"、"ジェフ・ポーカーロ" とプリントされたものを取り付けています。わざわざ同色、同型のドラムを2セット持ち込んではいるとは思えないですから、その時の気分とかで "ターンバック・ロゴ" タイプのものに張替えたのでしょうか。例の2曲のプロモでは、いずれも "ターンバック・ロゴ" タイプのものが装着されてますが、そのリハーサル・テイクでは、ヤマハのロゴタイプが装着されています。

make : YMAHA
YD-9000 Recording
finish : Solid Black
tom : 10" x 8"
tom : 12" x 8"
tom : 13" x 9"
f.tom : 14" X 14"
f.tom : 16" X 14"
bass : 22"
snare : 7"
symbals :
footpedal : Gretsch
#4955 Floating Action Bass Drum Pedal
考察 by よっさん、RED氏
(注3) ハイ・ハットの真上にチャイナ・シンバルがセットされているのが分ります
 前頁の(注2) の写真を見てください。シンバルは全部で5枚をセットされています。こちらの写真からは、ハイ・ハットの真上にチャイナ・シンバルがセットされているのが分ります(注3) 。ムック本『ドラム・ブラザー』(注4) に掲載されている年度別のセッティング図で確認してみると1982年版では確かにこの位置に22" のチャイナがセットされていることになります。ちなみにそれ以降はジェフのセットからチャイナ・シンバルは消えています。個人的な感想ですが、ジェフとチャイナ・シンバルってあんまり結びつかないんですよね。あの派手な音はやっぱりセッションとかでは使い辛いとかいうこともあるのでしょうか?

 同セッションより、ドラム・セットの内側の角度からです(注5)。なかなかこの角度から見られるのっては少ないと思うんですが。スネアがかなり手前に向かって角度が付けられているんですね。装着されているペダルですが、これはグレッチ社製の #4955 Floating Action Bass Drum Pedal (注6) という '60年代に製造されていたビンテージモデルだそうです。ジェフは "コチラ" でこう語っているように、コレクション的にフットペダルを持っていたようなので、臨機応変? 気分次第で選択しているのかしら? この写真からでは識別はできませんが、恐らくこのペダルも自転車のスプロケットを取り付けた改造モデルと思われます。

  このカット (注7)ではジェフのタムの打面のセッティングが判ります。如何にも叩き易そうに打面が揃えられているのが見て取れます。タムのセッティングはほんと人それぞれなんでしょうが、こういうのを見て参考になったりするのでしょうか? う〜ん、奥深い楽器ですね。
 というわけで、ヤマハのセットをハード的に見てみましたが、では肝心なヤマハのドラム・サウンドとはいかなるものなのか? という一番大事なことですが、当て推量する程にドラムの知識がない私ではありますが、基準をアルバム『ターン・バック』として考えてみました。前記の通りにラディックとの併用となってはいますが、私的にメインは "ヤマハなんだぞ" と勝手に思い込んいるわけです。いつものように、それには何の根拠もございません(爆) 単なる私の希望的観測だけです。
 これだけでアレをヤマハ・サウンドとして定義してしまうのはかなりの荒業だとは思うのですが...、ただこのアルバムでの音って結構特徴的であると思うのですよ。スネアーは "パス" っとした感じで鳴りが軽くて、今までのドスの効いた感じがなくなり、言うなればカラっとした広がりって感じなのかな。んで、タムを流すフィルとかを聞くと意外に深みはある。それでちょっと甘皮に包まれたように詰まった感じのバスドラとかも特徴あるぞ〜と。なんだか意味不明なことを書いてますが、私の感覚で言うとこんな感じなのです。分かってもらえますか? グレッチや以前のサウンドと比較すると荒削りな気もします。
 で、中でも特に特徴的で、今までに無い感じに聞こえてくるのがタイトル曲でもある "Turn Back" でのバス・ドラムの音です。今ひとつ抜けた感覚がなくてど詰まった感じ。で、あの2曲のプロモでの音に比較的に近くないですか? こういう音の味付けは「チューニングやレコーディングのテクニックでいかようにもなるわよ」、というならの私の想像はなんとも素っ頓狂なモノになってしまうわけですが。でもそれを言ってしまうと話しがつまらなくなってしまうので、もちょっと妄想を逞しくさせて下さい (^^;

 では、それらを踏まえて!『ターン・バック』のバス・ドラムの音をキーとして収録されている楽曲群を脳内プレーヤーでもう一度再生させてみます...皆さんもご一緒に! 他にも同系列の音色はあるのか?

(注4) 『ドラム・ブラザー』
 リットーミュージック社から発刊されたジェフのムック本。残念ながら既に廃刊となっております。
(注6) グレッチ社製の#4995 Floating Action Bass Drum Pedal
"Gift With A Golden Gun"
ノン
おいおい、何でいきなり "ノン" なんですか(爆)
"English Eyes"
ウィ!
"Live For Today"
ノン
"A Million Miles Away"
ウィ
"Goodbye Elenore"
ウィ
"I Think I Could Stand You Forever "
ウィ
"Turn Back"
ウィ、ウィ
"If It's The Last Night"
ウィ
 ウィが6曲。じゃ残りは ラディックになるの? となるわけですが...すいません、怖いもの知らずの私もそこまでは断言することは出来ません。いわゆる灰色です。それとプロモではヤマハでプレイされていた "Live For Today" ですが、アルバムを聞いてみるとヤマハっぽくない気もするんですね。実際はどうだか分りませんが(^^; まぁ、どう足掻いてもドラム素人の私の思考回路では妄想するにしてもここまでが限界でしょうか(笑) 誰かこのヤマハ好きの私(注8)の長きに渡る悩みを解消してぇ〜 えええぇぇぇえええぇぇぇ

 それともう一つ、この時期の別のレコーディング・セッションでもヤマハのドラムは導入されたのか? という疑問も残ります。対象となるのは1980年から1982年にかけてリリースされたものとなると思いますが。全てとは言えませんが、ある程度の枚数を、その疑問を持ちながら聞き込んてみましたが、なかなか「これがヤマハでは?」と思えるサウンドには巡り合えませんですね。前述しているように、私的にはヤマハ・サウンドってかなり特徴的であると思うので、もしヤマハを使用しているならばきっとそれらしく聞こえてきてもいいんじゃないのかなとは思うんですが。『Peter Frampton / Breaking All The Rules』 (注9)なんてそんな風にも聞こえることもあるのですが...決定的にはそう思えないし。それとか『Kazu Matsui / Time No Longer』 (注10)とかも非常に『ターン・バック』的なサウンドをしてるんですよね。でもあのアルバムはおそらく "あの勝負セット(後述します)" でプレイしていると思うし...あ〜なんだか訳が分からなくなって来ました〜 すいません、これについては完全にギブアップの状態です。ぜひ皆さんのご意見をお聞かせ下さいませ。
(注11) すいません爆風スランプの追っかけやってましたんで(笑)

 さて、ここからはいつものように全くの余談話となりますが、私も後年になり YD-9000R の生の音に触れることがありました。初めは爆風スランプ(注11) のライブでのことです。彼らがまだメジャー・デビューする前の1983〜4年頃、渋谷にあったライブ・インというライブ・ハウスによく出演していたのですが、当時学生だった私は無いお金を振り絞って毎月のようにライブを見に行ってました。すいません爆風スランプの追っかけやってましたんで(笑) もちろんお目当はファンキー末吉と江川ほーじんの強力なリズム隊。ファンキー末吉のドラムはヤマハのツーバスのセットで、テクニックもさることながら、本当に良い音で鳴っていたのを記憶しています。ほーじんのチョッパーとの絡みは見事なくらいにカッコ良かったです。あれを見てて "やっぱりヤマハが本命〜" などと思ってました(注12)。しかし彼もデビュー直前にパールに移っちゃいましたけどね。デビュー前の爆風スランプは最高にカッコよかったです。歌詞とかほとんど放送禁止用語の連発でしたね〜 あの頃の生録したテープとか聞くと今でも痺れちゃいます(爆) 因みに元ネタの爆風銃とかは今聞いてもいいっすね〜
 それと余談の余談ですが(笑) あの頃の爆風スランプのライブでの対バンは、これまたデビュー前のエコーズ、レベッカ、バービー・ボーイズ、ルック等々が出ていました。まさにオール・ソニー軍団! お〜私の青春時代よ! んで自慢じゃないですが、その頃の隠し録りテープが殆ど手元に残っているという、物持ちが良いというのか、まさに生きるソニー・レーベル史です(笑)

 それから、私が毎日のように暇潰しに通っていた某音楽練習スタジオにも遂に "それが" やって来たのでした。それは10インチ・タムをも備えたソリッド・ブラックのフィニッシュでジェフと同じ夕イプのものでした(と思う)。ジェフは既にパールとエンドース契約を結んでいた頃でしたが、やっぱり私にとってこのセットが憧れのものであることに変わりはありません。暫くそれを眺めた私はスティックをおもむろに手に取ると、スネアーの感触を確かめるようにゆったりとビートを刻んでみました... な〜んて書くと "いかにも" って感じですが、スティックはスタジオのだし、リズムだって "♪ ど・タ、どどん、 ど・タ、どどん" ってやるのが関の山でしたが、感無量の瞬間でありましたね。あたり前ですが全然いい音で鳴ってくれませんでした(笑)
(注9) ヤマハ好きの私
 私にはメーカー別に音の区別が出来ないのは周知のことと思います。あくまで見た目が勝負です(爆)
(注9)Frampton / Breaking All The Rules
(注10) Kazu Matsui / Time No Longer











(注12) ヤマハが本命
 だからアナタはドラマーじゃないでしょ(^_^;
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