home Drum Gear
Jeff talk about his drumset





1979
 この頃から、ポツリ・ポツリとではありますが、ジェフのインタヴューが日本の雑誌等でも取り上げられるようになりました。その中の一つに、アルバム『ハイドラ』のレコーディング中に行われたものがあり、ジェフはイクイップメントについてもコメントしていますので紹介したいと思います。


_最近、使っているイクイップメントはどんなのを?

●今はそのこと話せないな。というのは、ある会社とモニター契約をしてたんだけど、破棄して別のドラム会社と契約しようと思ってるところなんだ。

_レコーディングでもそれを使ってたの?

●スタジオじや、いつもラディックの古いウッド・セットを使ってたよ。ドラム・セットはサイズも会社もまるっきり違うのを11セット位持っててね、その中に長くてハードなタムがあったんだけど、そいつからちやんとした音が出なかったんだよ。普通、この手のセットからはかなりいい音が出せるからさ、「何で、これだけやたらヒドイんだ?」って思ってさ、それで多分シェルのせいだと思ったんだ。ところがラグが全部曲がってんのに気が付いたんだ。フープから出したスクリューを入れるところさ。ボトムのなんてまるっきり全部曲がってた。ばかばかしいだろ。だからシカゴに電話かけて、あと2つ送ってくれって頼んだんだ。それでまた同じことになったらさ、喧嘩になったってかまうもんかって思ったんだ。だってそれだけじやなかったんだよね。ぶっ壊れてんだよ。メタルとかハードウエア類がちやんとしてなかったんだ。ドラム・セットにヒビが入ってたり、壊れてたりしたら話になんないじゃない。それがラディックのだったんだよ、これが。

 だから1つ買おうかなって思ってたところだったんだけど、このアルバム製作にかかった時、こっちで機材をレンタルしてる奴にグレッチのセットを借りて、アルバムに使ってみたんだ。で、僕が持ってた、もっと古いラディックのセットとそのグレッチのセットを取り替えてもらったんだ。あとシン・ドラムなんかのエレクトロニック・ドラムも引き取ってもらった。大嫌いでね。2年半か3年位前にプロト・タイプのやつを持ってて、3枚のアルバムて使ったけど、もうこれ以上使う気がなかったんでね。その代わりに、もう1つ別のセットもらった。だから今はグレッチと交渉中なわけ。

_グレッチが好きなの?

●もちろん。いつでも使ってるよ。


Jeff_Interview









Set1
make : Gretch
finish : unknown
tom : 8" x 12"
tom : 9" x 13"
f.tom : 16" X 16" (Ludwing)
f.tom : 18" X 18" (Ludwing)
bass : 22"

_使ってるセットをざっと説明してくれない?

●いいよ。22" バス・ドラム、8" × 12"、9" × 13"のタム・タム、18" × 16" フロア・タム、これはラディックのタムだよ。スネアーはポール・ジェイミソンっていう奴が作ったやつなんだ。彼は1930〜33年頃の古いスリンガーランドのすごい厚いラジオ・キングのシェルを200個位見付けたんだ。

 で、それをどういう風にしたかっていうと、ラックを取っちやうんだよ。あの頃のはニッケルだったろ。形のいい物はそのままにしておくんだけど、そうじゃないのは全部綿で包んでしまうんだ。僕のドラムは全部そうしてもらった。ラグやメタル・ケーシングを全部綿で包んでもらったから、ラグ自体が響いたりはしないんだ。シェルのスクリューは1つ残らずアレン・レンチでスクリューに替えてもらったんだ。スクリュー自体はすっかり埋まってるから、何もかもソリッドでタイトで、絶対に動かない。シェルとサイドには化粧板を張っているけど、ただのウッドで出来たスネア・ドラムも作るよ。6" インチだったり、8" インチとか5" インチだったりね。で、それに新しいグレッチのフープか、古いオリジナルのスリンガーランドのラジオ・キングのフープのどっちかを付けるんだ。どっちもサンバーストだけど、フィニツシュはそれぞれ違うよ。1個500ドル位で、僕はそれ4個持ってるよ。

_スネア1個で500ドル?

●そう、スネア1個でね。でも信じられない位にいいんだよ。こっちのスタジオの連中はみんな少なくとも1個か2個は持ってるよ。世界中捜したって、これ以上のレコーディング・ドラムは見付からないだろうね。ライブも最高、世界一の製品だよ。それに買いたい人なら誰にでもわけてくれる。

 最初、彼はドラムのことをよく知らなかったんだ。それでローディとして昔ジェリー・ブラウンのドラムスをセット・アップしたりしてて、この仕事を始めたんだけどね。彼はこれで大儲けしたよ。だってこっちのドラマーなら誰でも、2個か3個持ってるもんね。フリートウッドでも誰でも持ってるよ。

_ハイハットとシンバルは?

●今は全部ジルジャン。いいKが見付かれば使うよ。あとパイステのハイハット、シンバルもいくらか持ってるけど、それだけだね。

_ペダルは?

●フット・ペダルは20個位持ってるよ。凄く好きなんだよね、これが。3年前に使い始めたんだけどさ。ニューヨークのフランク・エッペリートっていう奴が、カムコ・ペダルかグレッチ・ペダルに自転車のスプロケットを取付けて、他にギアとカバー、ストラップも取付けてさ、それで自転車のチェーンをスプロケットからぐるっと回してフットボードに取付けるわけ。ペダルを踏むとギアがまず引っばられて、それに釣られて他のパーツも引っばられるから、ちやんとなるんだ。それでだいたい80ドル位かな。彼、自分1人で作ったものだし、数ヶ月前に死んじゃったからほんのわずかしかないんだよ。で、今じゃカムコやカムコのハードウエアの権利を買い取った会社のdwが同んじことをやってるよ。それとオレンジのハイハット・スタンドを使ってるよ。

_気に入ってるの?

●役に立つから大好きだよ。やっと使い慣れてきたところさ。それまで僕には重過ぎたんだけど、今、セッションで使ってるよ。

_ヘッドはどんなののを使ってるの?

●レモとバシター、ぺース・ドラムにはエヴァンスのハイドローリックを使ってる。

_スタジオで使ってるセットと全く同じ?

●ロードと同じのを使ってるよ。

_このレコードに入ってるドラム・サウンドに満足してる?

●うん。

_レコーディングする時、いい音を出すのが一番難しいのがドラムだっていうけど、そう思う?

●いや、そんなことないよ。だいたいどんな風にチューニングしても全く構わないんだからさ。もっともセッションの時には要求された通りにしなきゃいけないけどね。何しろ、自分のプレイの仕方でいい音が出てると思ったらいい音に違いないさ。でも、エンジニアってのは自分の働いているスタジオに慣れてるもんだから、ドラマーとかのプレイをそのスタジオや部屋に合わさせようとするのさ。くだらない。ドラムの音をよく聴いてから、「必要なのはオーバーヘッド・マイク2本、べース・ドラム・マイク1本、スネア・ドラム・マイク1本だけだ」って決めて、そして実行しなきやね。じゃなかったら、ドラマーに聴こえる通りの音、スタジオでプレイしている通りの音を録るようにしなきや。

_スタジオではどんな風にマイクをセッティングする?

●全部にさ、全部にマイクするよ。タムタムにKM88、スネアにもKM88、バス・ドラムはゼンハイザーの421、ハイハットはAKG4。オーバーヘッドもAKGじゃないかな。ちょっと覚えてないな。

_トラックの殆んどがライブ

●ああ、録る時はみんなでプレイしてるよ。ベースとギターのまわりのバッフルは置かないし、ビアノがドラムスのすぐ側で、それもバッフルは置かないんだ。全都、すっかりオープンにしてる、ルーム・マイクでね。そんなルーム・レコーディングの時って、それほどエコーは要らないよ。

 ちなみに、ポール・ジェイミンソンによれば、彼がジェフの為に用意したスネアーは5個とインタビューで答えております。そのインタビューでは "built" という言葉を用いているのですが、メーカーを問わずにカスタマイズしたということなのでしょうか? そして、それプラスこのインタビューにも登場しているオールドのスリンガーランド、さららに'40年代のグレッチ社製、6 1/2" x 14" もカスタマイズしたと語っています。




戻る 進む