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 ソウルフルな歌声とストリングスを使った流麗なアレンジが素敵で、ロマンチックな雰囲気に浸れる好盤です。
 ムーディーなホーンで幕を開ける1曲目 "Heels Of Love"。イントロのハットがいきなり綺麗でドキっとします。ゆったりした16ビートで、サビでパターンの中にタムを入れていくのが、これが何とも気持ちいいです。最後の方で頻繁にハットをオープンさせていて、気分盛り上がってるねっ♪て感じ(笑)
 ブルーな16ビートのグルーヴが心地好い "When Too Divide"。フィル・インが音色といいフレーズといい悉く最高です。ゆったりしてるのに躍動感があります、う〜ん、カッコいい。トム・ケリー、リチャード・ペイジのコーラスも美しいです。
 R&B調の "She's So Cold"、心地好いバウンスのノリに、座ってても体が勝手に踊ってしまいます。なんてことのない♪タカトッてフィルがここまでグルーヴィになるのはジェフならではですね。
 全体にスネアの音が低めのピッチで、このアルバムの雰囲気によく合ってます。
 


 ジャズ・ヴォーカリスト、サラ・ボーンによるビートルズのカヴァー曲集。実は、最初聴いた時、なんじゃこれーっとひっくり返ってしまったアルバムです(^^; でも、今回聴き直したら普通に(?)聴けました。この企画がなかったら永遠にオクラ入りしていたかも (笑) ジェフは特にジャズっぽいプレイはしていません。ですので、全体の印象としては、ソウル、ファンク調ビートルズ、といった感じです。
 1曲目の "Get Back"、これが一番カッコ良く仕上がっていると思います。曲想がソウルっぽいアレンジにハマるんでしょうね。キック4分打ちのハネたノリが気持ちイイ。1コーラス目の終わり、サラのグ〜ンと伸びてきたヴォーカルをキックで受けてるのが、何てことないのにスッゴイ快感。2回目の終わりそうで終わらないタム回しが袖を引っ張られてるようで、これまた快感の大波。ハンゲイトくんもノッてます♪
 "Come Together" です...え〜と(笑)、こういうの何て言うんでしたっけ、...ダサい?(滝汗) いや、ジェフのせいでなくて、アレンジそのものが。この曲が引いてしまった一番の原因なんですが、原曲のイメージを取っ払ってしまうと、ちょっとアフリカンな雰囲気で悪くないかも。ビートが、タムを使ったシンプルなパターンで、力を込めて叩いてるわけではないのに地に響くような重さがあって、静かな強さ、抑制されたパッションっていうのか、そういうものがヒシヒシと感じ取れます。
 "Blackbird"がいいです。2回目のサビの後の盛り上がってくとこ、6連やら♪タ・チー・チーやら飛び出して、凄く楽しそう♪
 最後の "Hey Jude" はヴォーカルなしでサビ部分の演奏をちょこっとのみ。ジェフ、なんか怒ってない?
 


 尾崎亜美がデヴィッド・フォスターにアレンジだけのつもりで依頼したら、勝手にバック・ミュージシャンまで集めてしまったという、フォスターのやる気が充満したHOTな1枚♪ 当代のL.A.の一流ミュージシャンが勢揃い、フォスターのやる気を受けて気合い入りまくりのプレイ合戦。ジェフは勢いに溢れ、かつ隅々まで気配りの行き届いた集中力抜群の名プレイを余す所なく展開、正にジェフ・ファン必聴盤。
 軽快なサンバ・フィールのプレイが冴えに冴える "Love Is Easy"。ジェフの叩くサンバのビートって宙に浮くような浮遊感がありますね。ハットの柔らかい音色に惚れ惚れ〜♪
 フォスターのスケール感満点のアレンジが映える "限りない憎しみの果てに 〜花が咲いたよ〜"。イントロのライドの音色が星の煌きのようで、その後の見事にキメを引き立てるクラッシュの連打とタムのフィルと共に、聴き手を一気に曲の世界へと引き摺り込みます。曲全般において、非常にストーリー性のあるドラマチックなプレイで、言い過ぎかもしれませんが、尾崎亜美自身のヴォーカルより遥かに雄弁にこの曲を物語っているのではないかと思います。これは大袈裟な曲好きな私の、このアルバムでのベスト・トラックでもあります(^^ゞ
 そのプレイはもはや神懸っているとしか思えない "Prism Train"。ビートの突進力、この速度で完璧にダイナミクス・コントロールされたフィル・イン。しかも、見事に歌わせて、テクニカルに全く聴こえないのが素晴らしい。でも、確かに尋常でない凄まじさで、こんなプレイは一生掛かっても私には出来ないと思うけれど、こんな風に叩きたい、叩けるようになりたいとなぜだか強く思わせる人間味に満ちた温かさがあるのがジェフのプレイの不思議なところですね(^^*
 


 CharのL.A.録音盤。参加メンバーが尾崎亜美『Hot Baby』とほぼ同じなんですが、所変われば品変わる? 随分と趣きの違う演奏です。こちらの方が "セッション" という感じでちょっとばかり荒削りな雰囲気を感じます。
 1曲目 "Give Me Some Time"、面白いリズム構成になってます。変拍子かと思ったら変拍子じゃなくてオヤ? と思ったらその後に変拍子が出てきてアレっ?(笑) ジェフの全く迷いのないプレイが気持ちイイです。特にキックが凄い。パターン中に16分のキックの連打をバンバン入れてて、特に3コーラス目のBメロのとこ、強烈にケッ飛ばしてます。フェイド・アウト前の16分音符のフィル・イン、突然すんごい音量で鳴り響いて音圧に吹っ飛ばされるかと(^^;
 L.A.Breezeが吹き抜ける1曲目とはガラリと雰囲気が変わる "Street Infomation"、ベタッとしたギターのリフに、これまたジェフのベッタリ感満点のバック・ビートが絡んで何とも言えない快感が走ります。初めから終わりまでドカスカ・ドカスカ(笑) 楽しぃて溜まらんって感じのプレイです。
 "Smoky" はCharの代表曲ですね。ジェフはサンバ・フィールでプレイしていますが、あんまりサンバっぽくなくて、なんかやっぱりロックっぽいノリです。でも、16のグルーヴは強く出ていて、その上にCharの浮遊感のあるギター、ヴォーカルが気持ち良くのっかってます。改めてこの人のリズム感に驚かされます。ギターは勿論のこと、ヴォーカルに全く無理がない、どころか、聴いていてほんとに気持ちイイ。他の曲に比べて、ジェフはシンプルなプレイでバッキングに徹してる感じ。でも、これはそれで良かったと思います。Char、気持ち良さそうだし♪
 全体にロックなジェフ、音もドカスカと私好みです(^^♪
 


 尺八をメインに持ってきた異色のアルバム。尺八以外に東洋の楽器は使ってなくて、楽曲的にはロック・フュージョンって感じですが、その尺八があるというだけで独特の世界観があります。
 1曲目 "Overture (Rainy Moon)"、イントロ、スネアからダダダ...と入って来てキックの連打に繋げてるの、めっちゃめちゃカッコいい。ここのギターが、ベンッ!ベ・ベンッ!って、なんだか三味線みたいなんですよね。途中でこの同じキメが出てくるとこの和太鼓っぽいキックがまたカッコいい。タムがよく響いてますね、五臓六腑に染み渡るような音です。
 更にハードな "Voice From Dark"、いきなり1拍半のコンビネーション・フレーズが炸裂、しょええぇぇ〜〜〜 心停止(爆)。はっ!生き返って曲を聴かないと!(笑) スゴイ! ごく普通の8ビートなのになんなの? このカッコ良さは?! エイブラハム・ラボリエルのベース、ルークのソロにも痺れます。ほんと鳥肌ものの超カッコいい曲!
 "Bonfire (Centeredance)" は、ちょっと東南アジア的? 複雑な作りの面白い曲です。リズムがコロコロ変わる。途中、リトナーがギターを早弾きするところでパリ・ライブの"Africa"のドラム・ソロみたいなのをやってくれます。しえ〜。スネアがゴスッ! って感じで響いてて、こちらも骨の髄まで染み渡ります。
 ということで、駆け足でご紹介させて戴きました。全曲参加のも全部書いてたらなんかクドイかな、と思って、特に印象的なところだけにして、出来るだけ簡潔にしました。っていうか、自分がちょっと混乱気味になってきた、というのがホントのところなんですけど。
 ジェフの'81年度参加アルバム。こうして同じ年の参加アルバムを一度に聴くということは今までになかったことで、まるでジェフがそこにいた1年を一緒に過ごしたようで、感慨もひとしおといった感じです。それでは、こういった機会を与えて下さった管理人さんに感謝を込めまして、筆を置きたいと思います。
[ 1981年、セッション・アルバム 傾向と対策 ]
by 管理人@Jeff's World
 ツキミ姫さん、長編のテキストをありがとうございました。では、最後に、"1981年、セッション・アルバム 傾向と対策" としまして管理人的な感想を簡単にまとめておきますね。当サイトをご覧の方は既に目ぼしいアルバムはほとんど聴いてらっしゃることと思いますが、中にはまだビギナーさんな方もいらっしゃるかもしれませんので、その方達へアドバイス的という感じで書いてみます。
 とりあえず、1981年にリリースされたものでジェフが参加したとされるセッション・アルバムは全部で34枚 (2006年8月、JW調べ) です。もちろん管理人もこれらの全てを聴いたことはありません。ですので、管理人も持ち合わせの中からこれは「絶対」という、超お勧め盤、並びに必聴曲をサンプルとして幾つか挙げておきますので、これからのコレクションを揃える際のガイドとしてお役立てください。

 まず、"これは必聴なもの" として『Bill Champlin / Runaway』『Char / U.S.J.』『尾崎 亜美 / Hot Baby』『Peter Frampton / Breaking All the Rules』を挙げておきます。まず『Bill Champlin / Runaway』は "Without You" の一曲のみの参加になりますが、この暴走的なグルーブ感はぜひとも味わって欲しいと思います。『Char / U.S.J.』...う〜ん、ネット上だとチャー・ファンからは評判が悪いようですが、ジェフ・マニアから全く問題ありませんです。むしろオッケーな感じですよ。リラックスした雰囲気で無茶するジェフのプレイが堪能できます。『尾崎 亜美 / Hot Baby』も必聴なアルバムですね。全曲に渡り素晴らしい演奏が繰り広げられます。『Peter Frampton / Breaking All the Rules』は最近CD化されたアルバムで、こちらはロック・フィーリング溢れるパワフルな演奏に感激すること請け合いでしょう。

 また現在は廃盤となっておりますが、『Brenda Russell / Love Life』『Brother Johnson / Winners』の2枚は絶対・絶対に必聴盤です。『Brenda Russell / Love Life』はアルバム全曲に参加しており、全ての曲で素晴しい演奏を聞かせてくれます。『Brother Johnson / Winners』は(レコード時代の)B面に参加してます。こちらは特に、"I Want You"、"Day Dreamer Dream" で爆裂演奏を披露、派手めなドラムが好きな方にお勧めです。

 『Pages /Pages』『Jim Messina / Messina』『Alan Sorrenti / Alan Sorrenti』の3枚はちょっと微妙なところ...。楽曲的にちょっとクセがありますので、その辺りはお好み次第ということになります。『Pages /Pages』は軽めのAOR系になると思います。"Automatic" では珍しく変拍子を楽しめたりしますが、私にはちょっと全体的に軽過ぎるようです。『Jim Messina / Messina』はツキミ姫さんのレビューにもありますが、ジェフの貢献度は高いと思いますが、カントリー・タッチな楽曲がちょっとアレかもしれません。『Alan Sorrenti / Alan Sorrenti』も楽曲的に結構イケてると思いますが、楽曲毎のクレジットがないので、ジェフがどの曲でプレイしているのか、今いちはっきりしない...(^^; そんなところでしょうか。

 それと管理人は聞いたことはないのですが、『Four Tops / Tonight』『Michael Berger / Dreams In Stone』の2枚は、既に廃盤のようなのですが、非常に良いらしいので、手に入れる機会があるようでしたらゲットした方が良いかもしれません...聴いたことがないのに無責任な発言ですが (^^; とにかくリリースから歳月がかなり過ぎておりますので、廃盤扱いのものも多くて入手するのに難儀されることと思いますが、がんばって入手してください。

 今回は "1981年にリリース" という条件で括ってますが、実際に1981年にレコーディングされたものも考慮すると、『Greg Mathieson Project / Baked Potato Super Live』『矢沢 栄吉 / P.M.9 』... などと名作がより目白押しになります。もうこうなるとジェフ貧乏まっしぐらになるわけで、過酷な生活に耐えられる方はそこまで手を伸ばしてみてください! つ〜 ことでJeff's ライフを満喫しませう。
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