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一番誠実で正直なアルバム

TOTO......このバンド名の由縁に関しては諸説プンプンで......間違っても日本企業であるTOTO(東陶機器株式会社)とは関係ないとは思います。この件についてジェフは「ラテン語の“すべて”、“全部”という言葉から来ている」と語っていますし、他にはメキシコに古くから伝わる伝説から付けたという説もあり、はたまた、ボビー・キンポールの本名、ボビー・トトリーズのファミリー・ネームを省略したニックネームと「オズの魔法使い」に登場する犬の名前とを掛け合わせたものらしいという意見も......。が、しかし当Jeff's Worldは新たな新説(?)を提言したいと思います! 興味のある方は『Los Angeles To Z』を見て下さい --->>こちらをクリック!

 「ボク達は“ふたつの音”、“ふたつの文字”で出来ていて、誰が見てもその場ですぐに分かるような名前を考えていたんだ。その時、たまたま映画“オズの魔法使い”の中でオズの魔法使いと小犬のトトを見て、その“トト”って響きが気に入ってそれを使うことに決めたんだ。ボク達のマネージャーはブラザーズ・ジョンソンと一緒に日本に行ったことがあって、彼がTOTOのピルの写真や例のマークの入った物の写真なんかを見せてくれた。でも、そこから名前を取った訳じゃないんだ」......ジェフ。

 前章で述べた2曲を含むデモ・テープを持って多くのレコード会社と契約交渉した結果、ボズ・スキャッグスのマネージャーであるドン・エリスの協力もあり、米コロンビア(ソニー・ミュージック)とのレコード契約を勝ち取ります。
 再びジェフ......。
「TOTO結成の頃のこと? う〜ん、そうだね。僕にとってはスタジオでの仕事を始めたのと似たようなもんだったよ。そうだね、もし僕等がTOTOの仕事で町を離れるとするだろ。だとしてもいくらでも僕等の代役はいるわけさ。仮に僕等がどんなに売れていようともね。コントラクターやミュージシャンが僕に声をかけて来たときに僕が捕まらなかったらもうそれっきり。彼らは直ぐに別のヤツがお気に入りになるから。だからこういったチャンスってのは同時に危険も伴うんだよ。そんなわけでTOTOの仕事の場合はどんな時でもロサンゼルスを長期間離れることはなかった。同時に数週間ってことはなかったはずだよ」。
 どうですか、何とも随分と控えめな発言をしていますね。この発言だけを聞いてるとTOTOの成功を100%信じていたというわけでもなさそうですが......。もちろん後年になってセッションの数を押さえるようになる頃はこれとは全く別の考え方をするわけですが。やはり全てを投げ売ってまでもTOTOに賭けるという状況ではなかったのでしょうし、逆にそこまでしなくても売れるという自信があったのかもしれませんが。

 続けて......「ボク違は、全員高校時代にバンドを演っていた経験を持っていて、しかもまだみんな若い。ロックン・ロールこそ、ボク達全員が演りたいものなんだ。ロックン・ロールに一番興味を持っているし、いつでも好きだったものなんだよ。高校時代は、他のロックン・ロール・ミュージシャンの演奏を聞くのが好きだったし、プロのバンドを組むのがボク達の夢だった。そして、あちこちに出かけて行って、いろいろな人と一緒に演奏して、音楽そのものやレコーディング・テクニック、ツアーのやり方、良いPA屋などについて学んだんだ。こういういろいろな経験をつんでから『さあ、今こそバンドを組む時だ』って言ったんだ。ただ、僕等の目指してたサウンド・スタイルは単なるR&B、R&R、フュージョンとかにしたくなかったんだ。僕等の好きな......例えば、ジミ・ヘンドリックス、ビートルズ、チック・コリアみたいな偉大な先人からの影響が大なわけさ。こういった素晴らしい音楽的要素を一つにまとめたかったんだ。そして多くの人達に聞いてもらえる極上のポップ・サウンドにしたっかたんだ」。
 ジェフの言葉を聞いてもらえばお分かりのように、よりクリエイティブでカッコいいロックン・ロール・サウンドを狙ってTOTOとしての活動を開始したわけですが、その最初の結果がTOTOのファースト・アルバム『宇宙の騎士』となって現れることになります。しかし、まあ邦題であるこの大げさなタイトルは一体どこから来たんでしょうね〜。日本のスタッフがあのアルバム・ジャケットを見て苦心して考え出したんでしょうけど(^^;。

 TOTOとして活動する一方でジェフはこのファースト・アルバムのレコーディング期間中も引き続きセッション・ワークを引き受けていました。
 「このアルバムは6ヶ月以上もかけてレコーディングしたんだよ。週5日、だいたい夜の7時頃から始めてね......レコーディング自体はそんなに遅くまでやるわけでもないから、次の日の昼間も仕事はできるし、言うなれば、昼間の仕事はTOTOを続ける為の仕事のうちだったわけさ。実際にTOTOを始めるまでの2年間は必死で仕事をしたからね、出来る限り。それこそ本来はやりたくないようなものまで資金を溜めるためにね。その甲斐あってなんとか2年間は仕事をしないでもやっていけるだけ稼いだんだ。それでTOTOに賭けてみることにしたんだよ」。

 このジェフの話しに付け加えるようにスティーヴ・ポーカロは......「僕らがはじめてTOTOとしてスタジオに入って、最初のアルバムを創った時、多分それが一番誠実で正直なTOTOのアルバムだったんだ。僕ら自身がプロデュースし、9ヶ月かけて、しかもレコード制作っていう意味で何を入れるかについてはどんな制限も加えなかった。一つのアイディアに5週間かけ、10万ドルかけてその実験が失敗したら、それではじめて失敗といった具合さ」と......。

TOTO _ TOTO
CBS SONY INC.
Side A
1. Child'S Anthem
2. I'll Supply The Love
3. Georgy Porgy
4. Manuela Run
5. You Are The Flower

Side B
1. Girl Goodbye
2. Takin' It Back
3. Rockmaker
4. Hold The Line
5. Angela


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