World Tour
1974.03.09 Glendale CA

Place :
Sopwith Carmel

Steely Dan :
Donald Fagen : vocals, keyboards
Walter Becker : bass
Jeff "Skunk" Baxter : guitar, vocals
Denny Dias : guitar, vocals
Jim Hudder : drums
Jeff Porcaro : drums

Support :
Royce Jones : percussion, vocals


1. Bodhisattava
2. The Boston Rag
3. Do It Again
4. Rikki Don't Lose That Number
5. Any Major Dude Will Tell You
6. King Of The World
7. My Old School
8. Pretzel Logic


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Jeff's World

jeffs-world@pos.to

2000.11.21


 手元にあるこの音源は『Pretzel Logic』発表後に行われたワールド・ツアー中に録音されたものと思われます。この日の公演分として8曲が収録されていますが、これがこの日に演奏された全てのマテリアルを収録したものとしてはトータルでも一時間にも満たないので、実際にはもっと多くの曲が演奏されたのでしょう。その中からの抜粋された物なのでしょうね。演奏された殆どの曲がアルバム『Countdown To Ectasy』と『Pretzel Logic』からの選曲で構成されております。
 このツアーからジェフが加わりツイン・ドラムとなったわけですが、これはスティーリー・ダンがそれを元々意図していたのか? それともジム・ホッダーを解雇出来なくてツイン・ドラムの形を選んだのか? その辺に疑問の残るところなのでありますが。それはともかくとしてジェフのパワーもさることながらジム・ホッダーのドラミングも悪くはないんでよ、これが。もっと酷いプレイをするのかと勝手に写真とかを見て決めつけていたのですが、このは私の早とちりでした。さてジェフを雇い入れてから以降、彼らのドラマーに対する思い入れは増々強くなり、これ以降どんどんとその顔ぶれが変わって行くわけですが。そもそもジェフが最初にスティーリー・ダンのセッションに呼ばれたのはこのジム・ホッダーが "Night By Night" の録音時に満足のいくパフォーマンスを発揮出来なかったという有名な話しではありますが、しかしこうしてその因縁の二人が同じバンドでツイン・ドラムを組み、素晴らしいコンビネーションを聴かせてくれるとは何とも皮肉な話しですね。このライブで聴く限りではこのジム・ホッダーという人はやたらフラムというかゴースト・ノートを入れたりしています。もう殆ど手癖なんでしょうか?ジェフ以上に......。ちなみにこの音源では左にジム・ホッダー、右チャンネルにジェフが綺麗に振り分けわれていて非常に聞き易くなっています。
 
1. Bodhisattava
 アルバム『Countdown To Ectasy』のオープンニングを飾った曲がこの日のトップ。相変わらず活きの良いジェフのドラミングが聞けます。 

2. The Boston Rag
 この曲も『Countdown To Ectasy』より。曲のカウントを出しているのはファースト・ドラマー(?)のジム・ホッダー。二人のかなり凝ったダブル・ドラムが聞き所。サポートメンバーとして参加しているマイケル・マクドナルドですが、前半では殆どその声を聴くことが出来ません。
 曲のミドルにあるピアノがリズムを刻む所など二人のドラマーがバス・ドラムのコンビネーションを聴かせてくれたり、フィル・インのフレーズも殆ど合わせています。こういうのがツイン・ドラムの醍醐味っていうのでしょうね。ボーカルでいうところのダブル・トラッキングの要素を持ち込んだことになるんだと思いますが、この微妙にズレが出るところが音の厚みに繋がるんですね。

3. Do It Again
スティーリー・ダンを一代躍進へ導いてくれた曲ですが、この翌日にあたる3月10日のライブでの演奏と比べるとリズム隊がスマートに聞こえるのは気のせいでしょうか? 同一メンバーによる演奏なわけですからそんなに変わることもないと思うのですが、とにかくこの日のリズム隊の二人はエクセレントです! ジェフなどは得意のフレーズ"タカ・ドゥ・ドゥ・た〜ん"とかもやってくれちゃってますよ。ドナルド・フェイゲンの長いソロがフチャーされてます。

4. Rikki Don't Lose That Number
ジェフ・バクスターがアコーティック・ギターに持ち替えてます。コーラスが素晴らしい。

5. Any Major Dude Will Tell You
 ドナルド・フェイゲンはここで一休みしてロイス・ジョーンズにリード・ボーカルを譲ります。

6. King Of The World
 ダイナミックなリズム・ソロで始まる"King Of The World"は再び『Countdown To Ectasy』より。ここでやっとマイケル・マクドナルドの登場と相成ります。それにしてもジェフの刻むリズム感が素晴らしいです。圧倒的な迫力でぐいぐいとリズムを引っ張って行きます。

7. My Old School
ボーカルはロイス・ジョーンズ。ショウが進むにつれてジェフの音がどんどん大きくなって行くことに注目しましょう。だんだんとジェフも熱が入って来たということなのかな? ジム・ホッダーの影が薄れていくのが気になります。

8. Pretzel Logic
 これまたジェフのヌケの良いサウンドが聴けける、渋いシャッフル・ブルースで決めてくれます。『Pretzel Logic』ではジム・ゴードンがプレイしていましたが、ここでのジェフのプレイはそれに負けておりません。微かに聞こえる"Ghost Note"がカッコイイ。センター・ブレイクはマイケル・マクドナルドのボーカル。

 スティーリー・ダンといえば私の印象ではこ洒落たインテリ系というイメージがいつもついて回っているのですが、こうしてライブを聴いてみると初期のドゥビー・ブラザースっぽさを感じてしまいます。同じ年代に活躍していたバンドでありますから時代的背景を考えた場合不思議ではないでしょうし、こう何と言って良いのか分からないのですが.....。本人達は結構カリフォルニアン・テイストを馬鹿にしているわけですが、でもモロにその雰囲気に出てますよね。まぁそれは良いとして......ジェフは凄いです。ジム・ホッダーを完全に圧倒しちゃってます。若さの象徴なんでしょうか? 怖いもの知らずなのか、とにかくブンブンと叩きまくる、余計な贅肉を完全に削ぎ落としてです。手数はジム・ホッダーの方が多いですが、そんなことは物ともせず我が道を行く、そんな感じです。
 
各曲のコメントは以下のページも参照して下さい。
1974.03.10 UC Collage Radio Station Irvine, CA
1974.03.20 Record Pland, Los Angeles, CA

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