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  Music: David Paich

 スティーブ・ルカサーが極悪的ギター・リフを奏でるハード・バラ〜ド・チューン。後の『Fahrenheit / Could This Be Love 』 を予感させます。ジェフは "One-Hand 16-Notes" でプレイ。

 無機質で透明感のあるルカサーの歌声に続き、ひらり・ひらりとコード展開していくアコースティック・ギター、そして頂点を極めたところで暴発するメタリックなギター・リフ。何度聞いてもこの流れにやられてしまうんだわ〜
 んで、この曲のアコースティック・ギターを弾いているのはルカサーとデヴィッド・ハンゲイトな訳ですが、何故スティーブ・ルカサーがいるのにアンタがねぇ、ハンゲイトさん。基本的にアタマから通しで録音してるんだろうけど。後半に向けて曲の構成が複雑になって行くっていうこともあるでしょうし...二本のアコースティック・ギターを複雑に絡み合わせたかったっていうこと? というわけで "じゃ じゃ じゃ〜" っていうリフはオーバーダビングってことでFA? などと妄想しながらアレコレ楽しんだりするわけですが、単にアコースティック・パートとリズム・セクション登場の部分で繋いでるんですね(爆) だからあのリフはオーバーダブではないってことか。

 ジェフは冒頭からの40秒、4分26秒位の二カ所で "ダカ ドコ どど、ダカ ドコ どど、ダン" を演ってくれてます。私的にはちょうどこの頃はこのシグネチャー・フレーズを聞けるのが楽しくて仕方ないって頃でした(リリース当時のことね)。この曲ではそれぞれでバリエーションで楽しめますね。最初はバスドラムを絡めつつ、二度目はタムを流しているだけのようです。

 それと特筆すべきは、伸びやかなフレージングで構成されたギター・ソロ。これはルカサーのベスト・プレイの一つなんじゃないだろうか? 私の大好きなプレイの一つです。しかし22フレットまで使いきっているので、ロボットでは弾けましぇ〜ん(爆) なにげにデヴィッド・ハンゲイトのベース・ラインがカッコよかったりします。やっぱりこういうシンプルなラインでもこれだけの味わいが出せるのって凄いことなのではないでしょうか? ハンゲイトのベース改めて関心してしまいました。
Aメロ、小間奏A部
 いきなり歌から始まる構成。最初はエレアコとピアノのみ。途中からエレキ・ギターが絡んできます。ドラムはその間ずっとお休み。最後の最後に盛り上げるためのシンバルが入ってきます。

小間奏B部
 1フレーズ目の終わりは16分音符による6連符×2拍の爆弾インパクトのあるフィル。次のブレイクのあとは、フラムを活かした16ビートのリズムでのフィル(といっても、ミディアム・スローなので、特に速くは感じません)。それぞれのフィルの前に入ったハイハットもいい感じです。2回目のフラムを使ったフィルのほうは、流したタムを次の小節に入り込ませていて、そのままキメまで持っていき、シンバルで盛り上げ、また繋ぎにスネアを入れ、その間ハイハットもオープンでシャンシャン鳴らして ... と、とにかく音を途切れさせません。ところが、次のBメロに行く直前で一旦フラムできっちり締め、ほんのわずかですが、音が鳴らない瞬間を直後に生み出しています。長い迫力と一瞬の静寂というコントラストを感じさせる非常にめりはりの利いたドラムだと思います。

Bメロ部
 ピアノによる8ビート伴奏に合わせてのドラムは、これまでとは打って変わっての心地良い「のったり系」。ハイハットは基本的には16ビートで入れてますが、8ビートのところにそれぞれアクセントを入れてしっかり刻み、その合間にきれいな音で小さく響かせています。時折入るオープン・ハイハットもいい感じ。最後はクラッシュではなくライドを打って、それまでのテンションを下げ、ブレイクでしっかり休み、他のフィルはもう入れていません。

A'メロ部
 シンバルなしでしっとり始まります。Bメロ部とは違って、ハイハットの打ち方が優しくなり "♪ チッチチチッチッ・チッチッチッチー" という感じで、アクセントはさほど効かせていません。フィル部で打ち数をかなり抑えて低めのタムを脱力気味(?) に打つことで、きらびやかな金物系による世界をきっちり止めています。

小間奏A'
 これってライド・シンバルの音なんでしょうか? それとも普通のシンバルをライドのように丁寧に打ってるんでしょうか? すごくきれいなキラキラ音(一応ライドということにしておきます) がハイハットの手前にしっかり聴こえます。このライドのボリュームと音色の巧みなコントロールが、楽曲のメローな感じとハードな感じの2面をうまく繋げていきます。最後のフィルはタム連打ですが、寸前のライドでしっかりアクセントを入れてからのやや脱力系フィル。こういったアクセントの入れ方、力の抜き方が実に巧みで、聞いてるほうにとって心地良いだけでなく、多分一緒に演奏する方にとっても演奏しやすいのではないかと思います。

小間奏B'
 この前のタム連打をフラムできっちり締め、再びブレイク。直後のフラムから始まるフィルの前に、ペダルでハイハットを踏んでいるのが聴こえます。ジェフの場合、ブレイク部ではしっかり音を休ませることが多いので、多分このハイハットも、このフィルへの繋ぎと考えてもいいかと思います。フィルはフラムとバス・ドラムとの組み合わせ。この箇所でのモチーフですが、毎回微妙に変化をつけています。これ以降はスネア中心のひたすら「繋ぎ」を意識したフィル程度。盛り上げはシンバル系を利用しています。

2番B'メロ部
 基本的には1番とさほど変わりませんが、オープン・ハイハットの頻度が少し増えています。ブレイクに入るところをライドで大人しく締めているところも同じ。最後のフィルも巧みに音数や音量を抑えてテンションを一旦下げながら、ゆったりとしたギター・ソロに繋げていきますが、力を抜いたフィルの最後の一打がちょっとだけアクセントを入れることで、次の箇所へのなだれこみ感をきっちりと断ち切っています。

間奏A
 ヘッドフォンで聴くと、非常に立体的なドラムだと気付かされます。まず、丁寧に打ったきれいなライド。それを上から包むようなクラッシュ。それらに気をとられていると突然低音域に入ってくるタム。それらの装飾を受けながらも、その真ん中でのったり感をしっかりキープするスネア。それらの音をしっかり支えるバス・ドラム ... 。また、ライドだけを聞いても、非常に多彩な音になっています。フィルの抑えた感じがすごくいいです。ブレイク部でここでもハイハットをペダルで入れてます。

間奏B
 間奏Aで抑え気味だったドラムが一気に炸裂する箇所。リフのリズムに合わせたライド(?)、シンバル、ハイハットが鳴りまくり。最初の、これまではドラムが休みだった箇所ではバス・ドラムもかなり目立ちます。ただし、それ以降、高音域まで既に到達して最高の盛り上がりを見せているこの箇所では、中音域もそれなりの厚さがあるため、ドラムはあくまでその金物系以外は余分な音を入れません。最後のフィルはスネア連打。次のBメロ部のアタマまでハイハットが続いて入ってます。

小間奏B'''、後奏、Ending
 ブレイク後で最初の小間奏Bと同じ16分6連符×2によるフィルが再び出てきます。いわゆるCodaに入ることを知らせるフィルであり、最後の盛り上がりを演出する効果もあります。ここでも金物系が炸裂! 後奏でも、再び6連符のフィルが1度だけ、今度はスネアで出てきます。あと、曲の最後の締めのあとでもう一発クラッシュを打ってますが、これがライブ感を出しつつ、次のTURN BACKへの序章にもなっています。

 この曲のドラムの魅力は、シンバル系の音のきれいさと、立体感だと思います。強弱もそうですが、シンバルの組み合わせが幾重にも折り重なっているような印象を受け、幻想的な感じすらします。一方で、ライドやハイハットのアクセントの入れ方が曲のメリハリづけに大きな役割を果たしていたり、ハードな箇所では盛り上がりを演出する強力な武器になっていたりして、まるでジェフ・イリュージョンでも見ているかのような ... なんていったらちょっと大げさですかね?(笑) 低めのタムによるフィルとのコントラストがその立体性を決定的なものにしているように思います。
A(10 1/2(1/2:弱起部)) -
小間奏 A (4)-
小間奏 B(7 1/2) -
B(9)-
A'(10)-
小間奏A'(4)-
小間奏B'(7 1/2)-
B(9)-
間奏A(guitar solo:(10(=A) + 4( =小間奏A))) -
間奏B(with guitar solo(=小間奏B(7 1/2))) -
B'(8) -
B''(2) -
B'''(1)-
小間奏B'''(with chorus2x4) -
後奏(7 1/2) -
Ending(1 1/2 fermata 〜TURN BACK)
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