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 しかし、これ程までにエアプレイ、エアプレイって騒ぐのは日本でだけなんだろうかと、いつも疑問に思うわけですが、実際の所で本国アメリカではどういう評価を受けたんでしょうか。ジェイ・グレイドンが某インタビューで米キャッシュ・ボックス誌に掲載された当時のエアプレイの記事を引用しています。

 【グレイドンとフォスターは完壁に近いコマーシャル・ポップのアルバムを出した。美しく高度なハーモニー、確かな手応え、最高のミュージシャンシップはAC、ポップどちらのスタイルのファンをも喜ぱせるに違いない。このアルバムは出るまでに随分時間が掛かったが、待っただけのことはある】と、ほぼ絶賛に近い評価を受けるには受けたんですね。勿論 "After The Love Is Gone" や "Nothin' You Can Do About It" 等のヒットは彼らの楽曲が一般受けするだけの要素があることを十分に証明していたわけですし、更にはそれ以前に、デヴィッド・フォスターもジェイ・グレイドンもプロデューサー業を含めて確固たる地位を築いていたわけですから、かなり楽観的に自分たちのリーダー・アルバムについて考えたいたのではないでしょうか? しかしいざ発売されてみるとどうなったのか? 皮肉なものでエアプレイをプッシュしてくれるはずだったRCA側の人間がアルバムのリリースの前後をして会社を去ったことで、エアプレイは会社から強力なプロモートを受けることが出来なくなり、そして本来は自分たちで市場に売込みをしなければならなかったエアプレイというグループ自身も、中心人物の二人がプロデュース業でひっぱりだこ状態であった為に、自らをアピールする時間もなく、何となく自身の中でも中途半端な存在になってしまったのかもしれません。<== 凄い妄想 (^_^;


 確かアルバム・リリース直後の二人はやる気満々という雰囲気でしたよね、既に次作のレコーディングも考えているようだったし。な、なんと言っても「ツアーに出るかも」とまで仰ってましたから。
 ジェイ・グレイドン.....
 「次はペイジズ(注23)とかシーウインド(注24)とかやることになってるけど、はっきり決まってるわけじゃない。その次はまたマンハッタン・トランスファー(注25)をやって、それからまたエアプレイをやる予定(!)」。
更には.....
 「しばらくロードには出ていないけど、やるとしたらスティーリー・ダン・タイプのロードになるだろうね」って。あぁ〜それなのに、それなのに...。 がっくし! こんな風にまで話していたわけなのに、ツアーはおろか、セカンド・アルバムまでもが立ち消えになってしまったわけです。
 しかし引き続き活動を続ければきっと爆発的とは言わないまでも、ヒット曲を連発することは出来たはずですよね、だってこれだけの作品・楽曲群なんですから。ただエアプレイの二人が意気込んだ程にチャート受けしなかったってのは大きな要因だったんだしょう。実際、セカンド・アルバムの企画もワーナー等から打診もあったようですが、それも忙しさにかまけて消え去って行ったのか、それとも若さ故に、いろいろなことにチャレンジしたいという意志が、エアプレイの建て直し、仕切り直しよりも魅力的に映った仕事だったのかもしれませんし。いずれにしても本人達も、周りの環境も持続的な活動を求めていたにも関わらず、それが成されなかったことは大いに悔やむしかないですし、それは当の本人達が、今考えてもみても一番悔やまれることなのではないでしょうか。

(注23) Pages /
Pages


(注24) Seawind
結局シーウインドのプロデュースってやったんですかね?

(注25) Manhattan Transfer /
Mecca for Moderns
 結局、エアプレイのその後は皆さんがご存知の通りなわけで、唯一エアプレイ名義でリリースされたのが映画『セント・エルモス・ファイアー』 (注26)のサントラ盤に収録された "Stressed Out" なわけです。が、はっきり言ってこれは別プロジェクトですね。David Foster、Jay Garydon、Stephen Kipner、 PeterBeckettという黄金のライター陣を取り揃えているというのに、私の好きなエアプレイの面影はありません! '85年と言えば打ち込み全盛ですからこういうモロ・サウンドになるのも理解できますが、何故これをエアプレイ名義としたのか...知りたいですねその理由を。しかもこの曲だけしっかりエンジニアリングまでしてるグレイドンには笑えますが。
 5年も前のプロジェクトをそのまま踏襲しろとまでは思いませんし、サントラの収録曲という制約があったにしろ、これは違いますよね。それとこのサントラ・アルバム自体にTOTOのメンバーは全開で参加しているわけですが、そこにジェフの名前はありません〜 寂しぃすぅ。

 それと、ライナーにありました「正直にTOTOには嫉妬した」というコメントが印象的でした。実際に打倒TOTOという気持ちも相当あったはずでしょうし、自分たちのサウンドの方が上だという自負も、今回のインタビューから分かりますね。しかもその当のTOTOのメンツをレコーディングで起用するあたりは余裕なのか、単なる師弟関係なのか(笑) そう考えると、成り立ちも、曲の系統も似た者同士であるTOTOだけがアメリカであれ程受けたというのは、彼らにとっては不思議な感じがしたのではないでしょうか。もっともTOTOの場合は自らを売る為に相当の決意の元に、自らをプロモーションすることで市場を喚起したわけですから、エアプレイとは違ったアプローチをして成功した例であるのかもしれませんし、市場もそれを期待すべきバンドとして価値をそこに見出せたのかもしれませんが。

 その後、時間は静々と流れて行き、エアプレイもその流れの中に完全に埋もれてしまったかのように見えましたが、リマスター盤のライナーにあるように、実はその裏通りではいろいろなやりとりがあったんですね。特にブライアン・アダムスやデヴィッド・パック等のエピソードとか...、もしこれらが実現していたならね、ふふふ。

 今年で25周年となったわけですが、このアルバムのリリース以来、ジェイ・グレイドンとデヴィッド・フォスターの二人はことあるごとにマスコミからアルバムについて根堀り、葉堀りとコメントをさぞ求め続けてられたことしょう。でも今回のリマスター盤の発売で総ざらい、あるネタは全て吐き出したということになるんだろうなぁ〜 。

 では、最後に二人のアルバムに対する'80年 "当時" のコメントです、まずはデヴィッド・フォスター、
 「あのアルバムには満足してるよ。ニュー・アーティストにしては信じられない位だと思うね。アルバムの中にはシングルになったらいいなと思うようなのもいくつかあるし。好みはあるだろうけど。僕はバラードのうちのどれかだったらいいなと思うね。これからの方向がそれではっきりするんじゃないかと思うんだ。アルバムには全く方向性がないという批判もあるようだから。ポップ・ロック・ソングもあればファンク・チューンもあり、またバラードもあって、少々統一が取れていないってね。

 僕たちはミュージシャンにアピールするアルバムは絶対に作ってないと思うよ。もっとも、不思議な事だけど、マイケル&ランディ・ブレッカーとかジョージ・デュークとか、僕らがすごく尊敬してるミュージシャンが凄く気に入ってくれたけどね。訳が分らないよ。ミュージシャンに受けるような所はないと思うんだけとな。僕から見れば、ただのポップ・アルバムなんだけどね。ソロもすごく少ないし、ちょっとしたミュージシャンだったらもっと上手いと思うよ」。

 続いて、ジェイ・グレイドン、
 「いいソロが2つ。メロディーを考えたソロがいくらかあって、ギター・プレイの方はまあまあ。今までにプレイしたソロの中じゃ、ベストとは言えないけど、まあまあの出来だ。マーク・ジョーダンでやったソロの方が全体的に僕としてはいい出来だと思う。
 このレコードのギター・パートはすごく無茶だった。めい一杯詰め込み過ぎたんだ。批判されるとしたら、いろんなことをやり過ぎた点と、少しプロデュースのし過ぎだった点だろうね。
 エゴって点から見れば、ミュージシャンにも当然アピールしたいよ。僕たちは音楽的にもっと強烈なものを作りたいとも思うんだけど。でもドルやセントのことを考えるレコード会社にとってはそんなのどうでもいいことなんだ。多分僕はラリー・カールトンやリー・リトナーみたいなギター・プレイヤーとしてはリスナーの耳には残らないだろうね。僕はギター・プレイヤーとしてのソロのキャリアを追求しないから。

 アルバムを作るとしたら、100万ドルは稼げるやつを作りたいね。と同時に、レコード会社のことも考えなきゃならない。売れるレコードを作らなきやいけないんだからね。フュージョン・レコードは10万枚位は売れるけど、それだけだ。僕は100万枚は売りたいんだよ」と、例によってお金に細かいジェイ・グレイドンです。

 さぁて、長々と駄文を書き連ねて来ましたが、結局最後まで私の与太話&妄想になってしまいました。最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。
 なお、事実関係につきましては、既存の情報の受け売りになっております。私が直接取材する手立ては持ち合わせておりませんので、これがJWに出来る限界です(^_^; 冒頭でも書きましたように、今回のリマスター盤には中田氏による完璧なエアプレイを解剖したライナー・ノーツが添付されております、更にオリジナルCD盤、リイシューCD盤のライナーを取り揃えればエアプレイのネタに関しては完璧でしょう。それとアドリブ誌の2005年8月号(?)にも見開きページでリマスター盤の紹介記事が掲載されておりましたので、そちらも参考にしてみて下さい。

(注26)St. Elmo's Fire: Original Motion Picture Soundtrack
(注27) こんなことにぃ〜
 2005年夏......今はいったい何時かしら?(爆)__の最大のプレゼントとなったエアプレイですが、私はこの4ヶ月間、このテキスト書く為に毎日通勤電車に揺られながらアルバムを聞き続けてきたわけで、一体何回聞いたんだろうか? 100回位は聞いてるのかな......っと、iTunes で再生回数をチェックしてみると、な・な・なんとこんなことにぃ〜(注27) 流石に名盤とはいえ、これだけ聞き倒した今は、激しくゲップ出まくり状態ですので、今年はもう聞くことはないでしょう(笑) というわけで、皆さんはこれからもアルバムをじっくり聞き込んでいただいて、ぜひアルバムの感想をJWにお寄せ下さい。

 最後にもうひとつ! このアルバムの最大の欠点は気軽に聞けないってことかにゃ。私的にはBGMで聞くって雰囲気にはなれない、だってどうしても正座しちゃうもん(笑)

 で、ここで完了であった本テキストですが、よっさんから緊急レポートを頂戴しましたので、こちらに掲載しました。ど〜ぞ〜 -->
(注27)なんとこんなことにぃ〜
 えっと、Stranded が114回、Cryin' All Night が115回っとと。しぇ〜 いや、夏前に一度パソコンと iPod を初期化してるのでこの再生回数は正味この数ヶ月間での統計です。正直もう飽きました。もうしばらくは結構っす。
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