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 それでは各曲について私ながらの感想を書いてみます。それと二人のコメントもあるものは追加しておきます。



Music: David Foster, Jay Graydon, Tom Kelly
Lead Vocal: Tommy Funderburk
All Guitars: Jay Graydon
All Keyboards: David Foster
Bass: David Hungate
Drums: Mike Baird or Jeff Porcaro
Backing Vocals: Tommy Funderburk, Tom Kelly

 出だしから強烈なハイ・トーン・コーラスを展開するポットボイラー・チューン。手に余る女子について愚痴る歌なの? 訳詞を見るとそういうことみたいですが、ギターが奏でる破滅的なコードはそういうことなの? という理解でよろしいのでしょうか? とにかくジェフ (?) はスリリングな8ビートでプレイ。

 ジェイ・グレイドン、
 「"Stranded" のギター・ソロの最後の所は自分でもプレイ出来やしない。ギターのハイのBからローのEまでを1/64ノートでやるんだからね。でもこれは効果を出したくてやったんだ。弾けもしないソロなんてそんな時じゃないとやらないよ。テクニック的に無理ならパンチをくらわせてでも入れてやるだけ」と、なんとも勇ましいコメントであります。実際チョーキングで入る第1音目からラストの急降下フレーズまで、息付く間も許してくれない程に緊迫感に満ち満ちたグレイドンの荒業ですね。このギター・ソロ、初めて聞いた時からとんでもなく感動させてもらいました。まだまだ私にとってはグレイドンのプレイは馴染みの薄いもので、このブッ跳んだようなフレーズ群は衝撃的だったのです。なのにあっさりとパンチ・インしたと申告されてしまうとは ... ライブでもこの急降下するフレーズはそれなり風でお茶を濁していましたが、その他の部分はほぼオリジナルのフレーズを踏襲して弾いていましたね。それにしてもバッキングも含めるとギターだけで何回のオーバーダブを重ねたんでしょうか? メイン・リフのゲップが出る位の厚みは想像するだけでも結構な回数に聞こえて来ます。きっとジェイ・グレイドンはこういうのをちまちまとダブしていくのが好きなんだろうなぁ。

 で、私達ジェフ・マニアにとっての問題は「誰が叩いているのか?」ということなんですが(笑) リマスター盤が出る前に書いていた私の初期段階のテキストでは、
 『今回のリマスター盤では中田氏がマイク・ベアードにもコメントを取り付けているようなので、"誰が、どの曲でプレイしている" という類のことはこれではっきりすると思いますが、「いや、それはジェイの記憶違い、アレを叩いたのは俺だよ」などと言われたら、"ぶフォ" って感じですが』 などと呑気に書いていたのですが、イヤハヤ、こんな予想が的中するとは(笑)

 ベアード自身のコメントは横においてですね <-- 何で横におくのよん(^^; ライナー・ノーツには中田氏の解説とは別にジェイ・グレイドンとデヴィッド・フォスターのやりとりが原語で掲載されてますね、そこには ...

JG: It's Jeff.
DF: No, Mike Baird.
JG: Mike Baird? Really?
DF: Yeah. This fills by Mike Baird.
JG: humm.....

 というように相変わらずジェイ・グレイドンは以前からと同様にジェフのプレイであると主張、それに対してフォスターは "あるフィル" がマイク・ベアードっぽい、という理由からその説に異を唱えるわけですが。この感じだとフォスターにしても決定的な理由があって、例えばレコーディングの様子を覚えていて、それでベアードであると主張しているわけじゃないっぽいですよね。雰囲気的にマイク・ベアードなんじゃないかと。そしてジェイ・グレイドンも、完全にそれで納得したようなわけでもないですし。
 あくまでライナーに掲載されたテキストを読んでいるだけなので、実際のその場で二人が交わした雰囲気を汲み取ることは出来ないわけですから、フォスターの主張がどれ位強い物なのかも分かりません。結局ジェイ・グレイドンが "Stranded" をダヴリン・スタジオでレコーディングしたことを思い出し、それならドラムはマイク・ベアードかもしないと主張を変えたわけです...。

Keith Olsen

 しかし、「ダブリンでレコーディングする時にエンジニアがキース・オルセンだったらマイク・ベアードがドラムと決まっていた?」 などという素人では到底考えつかないような理由で決められてもなぁ。そもそもマイク・ベアードはキース・オルセンのお気に入りだったのだろうか? でも "Fools Gold / Mr. Lucky" では全曲でジェフを起用したりしてますが ...。
 私がいつも疑問に思うのは、こういうのってちゃんとした雇用契約書とかないのでしょうか? 何月何日何時から何処スタジオみたいな...。そういうものがあれば、もう少しはっきりとするような。それとかマスター・テープにも何の説明も添付されてないんだろうか...?

 で、ここまでが世間様の流れなのですが、じゃJWの見解はどうなの? となるわけです...、私も正直な所、この曲でプレイしているのがジェフなのかどうかは判断が付かないのですよ。今まではジェイ・グレイドンが "これはジェフ" と何の躊躇いもなく主張していてくれてたから、そうは思って聞いていたわけですが、私的にも「本当にこれってジェフ?」 と疑問に思う気持ちは常に抱いているときもありまして。そもそもジェフに注目しながら注意深く曲を聞くようになってから感じてたのは、3分35秒位の所で登場する三連系のコンビネーション・フレーズがジェフらいしくないって思ってたんです。多分フォスターのいう "This fills by Mike Baird" というのもこのフィル・インのことを指してるような気がするんですが。ジェフにしては線が細いと言いましょうか、パワー感に欠けるというか、平坦な感じと言いましょうか、とにかくこのフィルに関しては私は全くジェフらしさを感じることが出来ないんです。もっともドラマーでない私が書いてる方がよっぽど当てにならないと言えますが(笑) これを聞くといつもこれは「ジェフじゃないわ〜」と思っていたわけですよ。ところがリイシュー盤のインタビューでグレイドンがジェフと断言したわけで、あぁ そういうものか、と思い納得したというか、レコーディングした本人が言ってるんだから、そう思わざるを得ないっしょ、ということにしていたのですが、ここに来てまたまた大逆転〜(笑) 一体どうなってんの...って感じだし。しかしこんなに記憶力が曖昧なこの二人って?

 で、で、私なりに、どこがジェフらしくて、どこがらしくないのかですが、

【 ジェフらしい点 】

  1. しょっぱなでのドラムの入りの三連フレーズはまさしくジェフのノリだと思うけど.....な。
  2. 1コーラス目と2コーラス目の境で入るスネアーとバス・ドラムのフレーズ "だ・コ、だ・コ、だ・コ、だん" の微妙な間は(笑) ジェフのものに聞こえる。
  3. この曲でもっともジェフらしく聞こえるのがエンディング間際の4分位からです。タムを綺麗に流し、次の4小節後にはジェフらしく、"ダか、チ〜、ダか、チ〜" と。で、この感触が気に入ったのか、再び4小節後にもういっちょ"ダか、チ〜、ダか、チ〜" 。んで次の小節からはシンバルのカップよりでビートを刻みつつ、スネアで転がすような装飾を付けたバックビートを入れ、バスドラは "どん・どど、たん" と決めれば "ジェフ・ポーカロなり〜" てな筈なんですがね.....。

【ジェフらしくない点】
  1. 全体的にこれぞジェフっていうグルーブ感に欠ている。開始から30秒辺りからリズムを刻み出すわけですが、これがらしくないと思えてしまいます。
  2. ところどころで入る、"どど、タン" に違和感あり
  3. ギター・ソロの終わりの部分で入るアクセント、"ダ・ダ・ダ・ダ、だ〜 ダ・ダ・ダ・ダ、だ〜" この叩き方とフレーズに違和感を感じます。
  4. いろいろと小技を聞かせてくれてますが、今ひとつピリッとした雰囲気がない。

(注10)Cherie and Marie Currie
/ Messin' With The Boys

 元ランナウェイズと言ったら良いのか、元ルークの奥様と言ったら良いのか、まっそんなところです。
 CD盤はアナログ盤時の曲プラスαのボーナス・トラックが追加されているようです。レインボーでお馴染み、ラス・バラード作の "Since You've Been Gone"、"I Surrender" をカバーしているお二人でした。

 私的にこのアルバムのベスト・トラックというと、B級の香りがプンプンするデビッド・ペイチ作の "Elaine" です。唸るようなリズム・ギターを刻むのは恐らくスティーブ・ルカサーでしょう。そして何とバック・ボーカルがビル・チャンプリン、トム・ケリー、トミー・ファンダーバーグ、ボビー・キンボールですよ、お〜いって(爆)
 しかし、好みの問題だと思いますが、このアルバムは耐えられません、と言いつつここ数日は聞き噛ってます...どっちなんだよ!
 で、私も中田氏を真似て'80年位のアルバムでベアードがロックっぽくプレイしているのを持ち合せのアルバムの中から探してみました。するとちょうどお誂え向けのを発見! 『Cherie and Marie Currie/Messin' With The Boys』(注10)というしょうもないB級アルバムです。ほんと数十年ぶりに聞きましたよ、コレ(笑) しかもネットで調べてみたらなんとCDが出てるんですね? 驚きました。ちなみにこのアルバムではベアードが全曲をプレイしておりまして、ベアード節全開です。いわゆる "Leave Me Alone"、"Sweet Body" 的なプレイ満載なわけです。勿論バス・ドラの連打も難なくこなしていますので、それがジェフの証にはならないわけです。う〜ん、変なもん聞いたら余計分からなくなってきました(笑)

 いろいろと想像を巡らせて来ましたが、結果として私的にはやっぱりジェフが叩いてると思いたいわけですが、でもこれがマイク・ベアードのプレイとしても全く驚かないでしょうね。それ位にジェフとしたらジェフらしさの出てないプレイに聞こえてしまうんだな。多分、バス・ドラムの連打を抜いてしまったら、ほとんど名無しの権兵衛さん状態かも。いつものジェフなら、普通のストレートな8ビートの曲でも、それなりにジェフらしさが出ると思うんですよ。いや、これだけ特徴のある曲なら、"ジェフだっ" ってドンズバな印象を持てると思うんです。だから、やっぱりベアードなのかもしれませんね。

 まぁ、いずれにしてもエアプレイの二人にとってはこの曲で誰がドラムを叩いたのかっていうのはあんまりプロダクション的に問題ないってことなんでしょう。爆裂コーラス、鋭いギター・リフがこの曲の看板であって、決してジェフのドラミングではないと。ただ言えるのは、奇跡のアルバムにはこれ以外に考えられない位にピッタリのオープニング・ナンバーですね。
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