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ヘッドフォンを落札し損ねて、絶望の淵に立たされた私はそれでも諦めなかった。
何故か。
前にも書いたが、『何としても手に入れなければならない』からだ。
ここで諦めたら、今までの散財全てが無駄になってしまう。
それに管理人さんに申し訳が立たない。
更にはスネア提供者Y氏、
惜しみない労力の提供者ロジャーにも顔向け出来ない。
己のミスは己で尻を拭う。
当然なのだ。


 絶望感は払拭しきれていなかったが、管理人さんの暖かい言葉にも励まされ、私は再びヘッドフォン探索の旅に出た。
 ところがだ、意外にもそれはすぐに見つかったのだ、またまたebayだ! これを運命と言わず何と言う! 素晴らしき ebay! 夢への懸け橋 ebay!

しかし、その価格たるや…
何故こんな古い物がこんなにも高額なんだ…
ジェフのヘッドフォンだから?
しかも、お決まり文句の『May not ship to Japan』…
でも大丈夫! 今の私は代行サービスの存在を知っている。
私はすぐに代行サービスのサイトを開いた。
オークション形式だが、即決価格が設定されていたからだ。
こうしているうちに他人に落札されたくない。
ところが、その代行業者サイトで信じられない言葉を目にしてしまった。
『こちらの商品はお取扱い出来ません』
私は唖然とした。
何故だ、どうしてなのだ。
手数料は倍払ってもいい、取り扱うのだ!
PCに叫んでもしょうがない。
私はebayの出品者に日本に送るよう頼んでみた。
また断られた!!!
万事休す。
一体どうすればいいのだ!?
こうしている間にも、落札されてしまったらどうするのだ!


私は暫く悩んだ末に、ロジャーに連絡してみた。
「実はこういう事情なんだけど、どうすればいいかな?」 ロジャーはこう言ってくれた。
「ウチのLAの取引先経由で持ってこようか」
そんな事ができるのか!?
なんて素晴らしい!
しかも『L.A.』という響きがカッコイイじゃないか!
そこにはジェフが眠っているんだぜ!
心の友、ロジャー! あなたは凄いお方だ!
あなた無くしてこのプロジェクトは有り得ない!


 そこからが実に早かった。ビックリ価格にも関わらず、何の躊躇もなく即決する私。そう、迷い、油断、飲酒は禁物なのだ。ロジャーに教えてもらった住所を送付先に指定し、なんと、成田に届くまでたったの1週間! なんだよ、カム子も18インチのフロアも1ヶ月もかかったのに。
 こうして その数日の後、私はついにジェフ・ポーカロ・ヘッドフォン、K240 Sextettを手にすることができたのだ!


(注1) 写真の中と同じものがこの手中にあるなんて
写真の中と同じものがこの手中にあるなんて(注1)
なんて素晴らしい!
なんか聞いてみたい、なんか聞いてみたい。
ウォークマンに差し込んでロザーナを再生。
「うん、よく分からないけど素晴らしいサウンド!」
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