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(注2) まず初代YD-9000シリーズからYD-9000RGまでと、それ以降とではシェルのエッジ加工が異なります
 最後になりましたが、本体であるヤマハのシェルについてまとめてみます。ジェフの使用したセットですが、YD-9000シリーズであることは間違いないでしょう。私の考察に入る前に、まずはその歴史について少し紐解いてみます(注1)。YD-9000シリーズ(型番:「A」)は1976年に発売され、後にレコーディング・カスタムと改名され、国内・海外を問わず高評価を受け現在も販売され続けているロングセラー・モデルとなります。発売から2年後の1978年12月に、それまでのモデルの上位機種としてYD-9000レコーディング・シリーズ(型番:「R」)が追加され、従来のYD-9000シリーズも併売されます。そして1981年12月にはシリーズ全体に改良が加えられると同時に8"×8"のタム・タムが追加されます。これによりレコーディング・シリーズの型番が「R」⇒「RG」となり、下位機種のYD-9000シリーズは「A」⇒「G」となりました。

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 私はこれまでずっとパールを使用しており、正直ヤマハはズブの素人です。あれこれ調べているうちになんとなくですが分かってきたことをご紹介します。間違っていたらスミマセン。
 まず初代YD-9000シリーズからYD-9000RGまでと、それ以降とではシェルのエッジ加工が異なります(注2)RGまではエッジの先端部分が滑らかな凸形を描くように丁寧な加工処理がされており(注3)、更にソリッド・ブラック塗装のものはエッジまでもがシェルと同一色で塗装されてます。これ以降のモデルはエッジの先端部分が内側に向けて切り落とされたように尖っており(注3)、ソリッド・ブラックでもエッジ部分は塗装されてません。ここでこれ以前と以後の製品の区別が付けらるのかと思います。
(注3) RGまではエッジの先端部分が△を描くように加工されており (注4) これ以降のモデルはエッジの先端部分が内側に向けて切り落とされたように尖っており
(注1) その歴史について少し紐解いてみます
 ヤマハ YD-9000シリーズの歴史については別途特集記事を設けました。「よっさんの、カタログから見る、ジェフの使用したヤマハを探る YD-9000日本国内カタログ検証」
 当時のヤマハのカタログ一刀斬りだ、シャキ〜ン!
(注9) Y.E.S.S.
Y.E.S.S(Yamaha Enhanced Sustain System) シェルへの接地面積、接地位置、固定数量などによって、シェルの鳴りを最大限に引き出します。

 また今回の考察の対象と思われるカタログ型番「A」、「R」、「RG」のそれぞれで、製品を指し示すバッヂプレートの形状や色も変更されており、「A」はシルバー調で上辺2角が角ばっているもの(注5)「R」はゴールド調で同じく上辺2角が角ばっている(注6)「RG」になるとややピンク調になり、上辺の2角は下辺同様アールが付くようになる(注7)
(注10) ジェフのセットのバッヂはゴールド調で角ばっています。なのでYD-9000Rなのではないかと思います
 以後は形状・色は共にこのタイプになるが(注8)Y.E.S.S.(注9)というマウント・システムに変更されてからは色がシルバー調になる(「A」、「Rは」ロゴが彫刻になっているが、「RG」以降は印刷になっている)。
 と思っていたのですが、しかし新たな事実が発覚。「R」と呼ばれるものに、上辺角が丸いピンク系バッヂのものが存在するらしい。もう分かりません。ヤマハさん解説してください〜

 当初、'81年ならば、と考え、ジェフのYD-9000は「RG」だと思い込んでおりましたが、ジェフのセットのバッヂはゴールド調で角ばっています。なのでYD-9000Rなのではないかと思います(注10)。「RG」まではハードウェアも旧タイプのものです。勿論、ジェフのも旧タイプのものが使用されています。

これより想像するジェフのヤマハのセットは、
バス・ドラム : BD-922R
タム・タム : TT-910RTT-912RTT-913R
フロア・タム : FT-916RFT-918R
と考えられる。スネアドラムはというと、ラグの形状からSD-970Rと判断!

(注12) ジェフのにはそれが無い!
 と容易に考えていたが、ここにきてその判断が根底から覆る事態が発生! というのは私の所有するSD-970Rのストレイナーのバット側にはスナッピーを調整するノブが付いているが(注11)ジェフのにはそれが無い!(注12) 管理人さんからいただいた大きな写真を見て、
「何か物足りない」、「写真の写り方のせいかな?」とも思ったり、
「ジェフのことだから改造したのかもしれない! ジェフって結構オタクっぽいもんね」
などと正規品でないことと勝手に思い込んでいたのだ。
 しかしなんと! バット側のノブが無い仕様のスネアが存在することを目の当たりにしてしまったのだ!(注13)
 たまたま訪れた楽器店の中古コーナーに黒光りしながら鎮座していたそのスネアには、バット側のノブが無いのであった。

(注11) SD-970Rのストレイナーのバット側にはスナッピーを調整するノブが付いているが (注13) バット側のノブが無い仕様のスネアが存在することを目の当たりにしてしまったのだ!

(注5) 「A」はシルバー調で上辺2角が角ばっているもの
(注6) 「R」はゴールド調で同じく上辺2角が角ばっている
(注7) 「RG」になるとややピンク調になり、上辺の2角は下辺同様アールが付くようになる
 写真は「RC」のものだが、「RG」もほぼこれと同様と思われる。但し、「A」、「R」と同様な彫刻の可能性もある。こちらはロゴが印刷になっている。
注8) 以後は形状・色は共にこのタイプになるが
 「現行」のレコーディング・カスタムのもの。
「う〜ん、これは一体…」
これを見た瞬間に私は呆気に取られた。
しかし、このスネアは今までの疑問を全て解決してくれる。
目の前にあるのは写真と同じ、ジェフと全く同じ仕様のスネア。
何故バット側が異なるのだろう?
そういうラインナップがあったということなのか?
ある年式以降にスナッピー調整ノブが付くようになったのだろうか?
もうここまできたら推測でしか話が出来ない!
だけど、そんな事はどうでもいいじゃないか!
目の前にはジェフのスネア!
そうか、俺を呼んだのはオマエだったのか。
だから俺は仕事中にもかかわらず、楽器店に立ち寄ったりしたんだな。
そのスネアは、「私を持って帰って!」、そう言っているようだった。
しかし私はまだ仕事中。
スネアを抱えながら仕事をするわけにはいかない。
「スマン、俺はまだ仕事中なのだ。君を連れてはいけない…」

あ、送ってもらおう。そうしよう。
「スイマセ〜ン、これくださ〜い!」

やったー!ジェフのスネア!
私の心はエレノアを終えたジェフのガッツポーズそのものだった。



 しかし、ここまで判別ができたわけですが、肝心のYD-9000Rシリーズが中々見つかりません。どこにも無いのです。'79年〜'80年とたったの2年間しか製造されていなかったのですから、その数はホントに少ないのだと思います。

 ところが、救世主現る!
 私のレコーディング・カスタムとYD-9000Rをトレードしてくれるという某Tさん! 素晴らしい! ありがとう!

 こうしてその殆どが他力本願的に行われて参りました「プロジェクト、ターン・バック」ですが、なんとか10インチ、12インチ、13インチ、22インチがYD-9000R! 残るは16インチ、18インチのフロアだけ! とは言うものの、18インチを入手するにもあれだけ苦労しました。もはや見つけることは不可能かもしれません、手に入れることはできないかもしれません。それでも私は再び果てしない旅に出るのでした。
「R」を探しに、そして未だ謎のシンバルを探しに…

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