home Jeff Mania
エンドースメント
 当時の私の記憶では楽器業界も新たな時代を向かえていた様に思います。

それは、エンドース契約です!
 "我社の製品をこんなに素晴らしいミュージシャンも使ってます。貴方も憧れのミュージシャンと同じ楽器を使ってみませんか!" みたいな雰囲気です。その最先端を走っていたのがヤマハではなかったでしょうか? 楽器の良し悪しは勿論ですが、企業として売り上げを伸ばすには企業イメージも大切! その一つの手段として著名なミュージシャンに自社の楽器を使ってもらい、契約を結ぶ。契約の内容は金銭もあれば楽器の提供もあったのではないかと推測されます。
 一方、ミュージシャン側も楽器の提供を受けながら、小遣いも貰えるとなれば当然仲間内にも勧める。そうすることでそのメーカーのエンドーサーが増え、企業のイメージも上がります。
 そこで、再びヤマハ&パールの1978年と、ヤマハ&パール&TAMAの1979年のカタログを捲りながら、どの様なドラマー達が日本のドラムを使用していたか列記してみましょう。尚、読み違えなどを防ぐためカタログ通りの表記にしました。メーカーによって英語やカタカナ、漢字などとなっております。

《ヤマハ》 1978
NDUGU (LEON CHANCLER)
JIM KELTNER (ATTITUDES)
CHRISTOPHER PARKER (STUFF)
PETER DONALD (TOSHIKO TABAKIN ORCHESTRA)
EDDIE MOORE (SONNY ROLLINS GROUP)
DAVE NEAL (SUZI QUATRO & HER BAND)
FRANZ DI CIOCCIO (P.F.M)
JAMIE OLDAKER (ERIC CLAPTON BAND)
BRUNO CARR
AL FOSTER (MILES DAVIS GROUP)
SUZAN EVANS (GIL EVANS ORCHESTRA)
ALBERT HEATH (HEATH BROTHERS)
RALPH HUMPHREY
BILL GOODWIN (PHIL WOODS QUARTET)
GARHAM LEAR(SANTANA)
PRAIRIE PRINCE (TUBES)
JOHNNY YOSHINAGA
EIICHI MIYANAGA (MURASAKI)
MARTIN WILLWEBER
GEORGE WADA
TAKESHI INOMATA
EIJI SHIMAMURA (LAST SHOW)
SHOZO NARUSAWA (COSMIC LULLABY)
KAZUAKI MISAGO
PONTA MURAKAMI
AKIHIKO NOGUCHI (SENTIMENTAL CITY ROMAN)
GORO MASAKI
GEORGE OTSUKA (GEORGE OTSUKA QINTET)
TATSUO HAYASHI (TIN PAN ALLEY)
KEIJI KISHID
YUJIN HARADA (FAR EAST FAMILY)
HIROSHI MURAKAMI

《パール》 1978
ジョージ川口
ジミー竹内
日野 元彦
富樫 雅彦
つのだ☆ひろ
石川 晶 (カウント・バッファロー)
海老沢 一博
中村 よしゆき (森 寿男とブルーコーツ)
四方田 勇夫
山崎 弘
倉田 在秀 (渡辺 香津美グループ)
三沢 晴美 (ダン池田とニューブリード)
古本 敬三 (岡本 章生とゲイスターズ)
上地 康夫 (小野 満とスウィングビーツ)
阿野 次男 (原 信夫とシャープ&フラッツ)
豊住 芳三郎
佐藤 秀充 (クールス)
市岡 誠一郎 (レッド・ショック)
寺井 貢 (めんたんぴん)
鈴木 洋行
つねだ よしみ (近田 春夫とハルヲフォン)
鈴木 徹 (プリズム)
沖村 公平 (T・バード)
九里 一也 (T・バード)
田島 康史 (T・バード)
そうる透
王子 聡 (MMP)
サディ (ガールズ)
リューベン (チャー)
小野 裕介
ジョン・ハートマン (ドゥービーブラザース)
キース・ヌードソン (ドゥービーブラザース)
ミッキー・マクミール (スリードッグナイト)
アンディ・ウォード (キャメル)
ジョン・ゲーラン (LA・エクスプレス)
ジャック・スパーリング
エド・ショーネシー
ルイ・ベンソン
スティックス・フーパー (クルセダーズ)
ピーター・クリス (キッス)
コージー・コール
アート・ブレーキー
アル・トンプソン (グラディス・ナイト&ザ・ピップス)
ジョン・ヘルナンデス (ヘレン・レディバンド)
ブッチ・マイルス (カウント・ベイシーオーケストラ)
シェリー・マン
レス・ドゥメール
マーク・スティーブンス (フランク・シナトラ)
ビリー・ヒギンス
ジミー・ホップス
ロッキー・ホワイト (マーサ・エリントンオーケストラ)
古沢 良次郎
井上 よしたか

以下、欄外 (写真無し)
ダウンタウンブギウギバンド
田中 清司
ペドロ&カプリシャス
下谷 一夫 (ミッシェル)
チューリップ

《ヤマハ》1979
LEON "NDUGU" CHANCLER
JIM KELTNER (ATTITUDES)
STEVE GADD (STUFF)
CHRISTOPHER PARKER (STUFF)
LEVON HELM (RCO ALL STARS)
GRAHAM LEAR (SANTANA)
AL FOSTER (SONNY ROLLINS GROUP)
EDDIE MOORE (DEWEY REDMAN GROUP)
BILL GOODWIN (PHIL WOODS QUARTET)
BRUNO CARR (MICHAEL FRANKS)
JAMIE OLDAKER (ERIC CLAPTON BAND)
PRAIRIE PRINCE (TUBES)
IAN WALLACE
COZY POWELL (RAINBOW)
PETER DONALD (TOSHIKO TABAKIN ORCHESTRA)
SUZAN EVANS
BEN RILEY
WILLIE HALL (RCO ALL STARS)
DAVE NEAL(SUZI QUATRO & HER BAND)
TAKESHI INOMATA
GEORGE OTSUKA
JONNY YOSHINAGA(MARI KANEKO & BUX BUNNY)
KAZUAKI MISAGO
EIJI SHIMAMURA(LAST SHOW)
TATSUO HAYASHI(TIN PAN ALLEY)
YOSHIO NAKAMURA(NEW HERD ORCHESTRA)
HIROSHI MURAKAMI (NATIVE SUN)
MARTIN WILLWEBER
AKIHIKO NOGUCHI (SENTIMENTAL CITY ROMANCE)
SHOZO NARUSAWA (COSMIC LULLABY)
EIICHI MIYANAGA (CONDITION GREEN)
GORO MASAKI
KEIJI KISHIDA
YUJIN HARADA (FAR EAST FAMILY)

《パール》1979
ジョージ川口
ジミー竹内
日野 元彦
富樫 雅彦
つのだ☆ひろ
石川 晶
海老沢 一博 (森 寿男とブルーコーツ)
中村 よしゆき (原 信夫とシャープ&フラッツ)
四方田 勇夫
山崎 泰弘
倉田 在秀
三沢 晴美 (ダン池田とニューブリード)
古本 敬三 (チャーリー石黒と東京パンチョス)
上地 康夫 (小野 満とスウィングビーバーズ)
阿野 次男 (松本 文男とミュージックメイカーズ)
豊住 芳三郎
佐藤 秀光 (クールス)
市岡 誠一郎 (レッドショック)
寺井 貢 (めんたんぴん)
鈴木 徹 (プリズム)
田島 康史 (T・バード)
そうる透 (東京おとぼけキャッツ)
王子 聡 (グレート・アメリカ・ミュージックバンド)
サディ
九里 一也
小野 裕介
ニヤナ・ムールティ (VGT)
古沢 良次郎 (古沢 良次郎グループ)
坂庭 泰三 (ダウンタウン・ブギウギバンド)
沖村 公平
上田 雅利 (チューリップ)
土居 正和 (ベーカーズショップ)
中村 秀樹 (高橋 達也と東京ユニオン)
村上 秀一
デイビー (レイジー)
松本 輝男 (ガス)
河合 誠一 (スクエアー)
スティックス・フーパー (クルセダーズ)
ジョン・ハートマン (ドゥービーブラザース)
キース・ヌードソン (ドゥービーブラザース)
アンディ・ウォード (キャメル)
チェスター・トンプソン (ジェネシス)
アル・ムザーン
ジョン・ゲーラン (L.A.エクスプレス)
アート・ブレーキー
ブッチ・マイルス (カウント・ベイシー・オーケストラ)
ダニー・リッチモンド (チャーリー・ミシガン・グループ)
ポール・ハンフリー
ピーター・クリス (キッス)
レス・ビンクス (ジューダス・プリースト)

以下、欄外 (写真無し)

鈴木 洋行
つねだ よしみ
田中 清司
佐藤 仁 (ペドロ&カプリシャス)
永田 アキラ (スマイリー小原とスカイライナーズ)
ジョージ中河
白岡 隆 (有馬徹とノーチェ・クバーナ)
豊岡 豊とスウィング・フェイス
レス・ドゥメール
岡本 章生とゲイスターズ
ジョニー大倉グループ
デビルズ
サーフライダーズ
コジー・コール
アル・トンプソン (グラディス・ナイト&ザ・ピップス)
ロッキー・ホワイト (マーサ・エリントン・オーケストラ)
ビリー・ヒギンズ (シダ・ウオルトン・トリオ)
ミッキー・マクミール (スリードッグ・ナイト)
デニス・デイビス (デビッド・ボウイ・グループ)
ジェフ・アレン (バーバラ・ディクソン)
ドナルド・ベイリー
アルヲフォン
ボブズフィッシュ・マーケット
中村 達也
スティーブ・ジャクソン
ラス・カンケル

《TAMA》1979
BILLY COBHAM
LENNY WHITE
TOMMY SNYDER
STOMU YAMASHITA
簡易カタログ(?)の為か以上4名

 この1年の間に、移籍しているミュージシャンもいれば、現在までの25〜6年の間も、変わらず一筋のミュージシャンと千差万別ですよね! そろそろ皆さんのドラム考察 (ドラム本体&時代&エンドーサー) の下地もいい頃合になって来ましたよね? では、長いネタ振りもそろそろ終わりにして少しずつ私なりに話しをまとめていきます。

 時はいよいよ、日本経済が "バブル" に向けて上り調子!、実は結構、この事が日本メーカーの台頭の根本的な要因の一つとも言えるような気がします...。日本ドラム・メーカーが花開き、飛躍を目の当たりにできる1980年代に突入! それに伴う、ドラマーを取り巻く環境の激変に迫る(?)かも...。

(注1) コージー・パウェル
(注2) ピーター・クリス
 1980年前後から、音楽マーケットを巨大なビジネスの一つとして、レコード・セールスも然り、特に、ライブが徐々にショーアップされだし、巨額の収益も見込まれだした時期にコージー・パウェル(注1)ピーター・クリス(注2)などの、テクニックもさることながら、ショーアップされたドラマー達のお陰でドラムという楽器が注目され始め、ビジネスとして本気で本腰を入れ、取り組まれだした時期ではなかったかと思います。加えて、MTVなどの、映像による新たな音楽業界の方向から、そこに写る楽器メーカー! 世界中で放映されるからには、これほどの宣伝効果はなかったでしょうね。

 そんな中、折りしも日本のドラム・メーカーも試行錯誤の末、個々に独自の路線を見出し、目前に円熟期を迎えつつある時期と重なり、ドラム自体が加速的に飛躍することとなり。合わせてミュージシャンとて、仕事(お金儲け)でやってる訳で、良い楽器を提供され、契約金も貰える、しかも、自分の意見を取り入れて楽器までをも創作してもらえるのなら、 "飴と鞭" ならぬ "飴に飴" 状態ですから、乗らない訳がないですよね?

●『リズム&ドラム・マガジン No.3号 (1983年7月)』に掲載、ジェフのインタビューより
「まあ、そんなこんなで僕らは鬱屈していたから、よし、自分たちでバンドをやろうじゃないかってことになった。それから2年間、僕らは片っぱしから、どんなにくだらなくてこんなのゴメンだというようなものまで、仕事を受けた。そうやって、2年間は稼がなくてもいいだけのものを貯め、バンドに賭けてみたんだ」
 ミュージシャンとて、何と言っても生活が懸かってますから、"背に腹は変えられぬ" ってとこですかね? (涙) 当時、私たち素人の音楽仲間内では、"海外ミュージシャンが来日すると、楽器が日本製に変わる!" とまで噂されたぐらいに日本のメーカーが、ビジネスとして力 (特に海外のミュージシャン) を入れだした時期だっ...の...かな〜?

 まさに、そんな中で初来日を果たしたTOTO! 彼らを取り巻く楽器環境はどうなったのか!!!??? ご多分に漏れず、来日後のジェフもヤマハに!
 では、またまたここで1980当時のエンドース契約のドラマー達を紹介します。



(注1) コージー・パウェル
 1947 - 1998
あ〜 コージー やっぱり3連の人ですよね。
《ヤマハ》1980
Jim Keltner (ATTITUDES)
Tatsuo Hayashi (STUDIO MUSICIAN)
Peter Donald (TOSHIKO TABAKIN BIG BAND)
Graham Lear (SANTANA)
Takeshi Inomata
Steve Jordan (24TH STREET BAND)
Eiji Shimamura (LAST SHOW)
Al Foster (SONNY ROLLINS QUINTET)
George Otsuka
Jamie Oldaker
Yoshio Nakamura (NEW HERD ORCHESTRA)
Bruno Carr (MICHAEL FRANKS)
Hiroshi Murakami (NATIVE SON)
Steve Gadd (STUFF)
Alan Myers (DEVO)
Martin Willweber (ORQUESTA DEL SOL/SPLAASH)
Eddie Moore (DEWEY REDMAN GROUP)
Goro Masaki
Ben Riley
Levon Helm (RCO ALL STARS)
Keiji Kishida (SUN BURST)
Willy Hall (RCO ALL STARS)
Johnny Yoshinaga
Cozy Powell (RAINBOW)
Leon " NDUGU"Chancler (CHOCOLATE JAM CO,)
Steve Upton (WISHBONE ASH)
Kazuaki Misago (STUDIO MUSICIAN)
Louis De Andrade (SADAO WATANABE GROUP)
Ian Wallace
Akihiko Noguchi (SENTIMENTAL CITY ROMANCE)
Wilby Fletcher JR (McCOY TYNER SEXTET)
Ronald Marphy (JIMMY CLIFF)
Yutaka Uehara
Prairie Prince (TUBES)
Carlton Barrett (BOB MARKEY & THE WAILERS)
Christopher Parker (NY STUDIO MUSICIAN)
Shozo Narusawa (COSMIC LULLABY)
Dave Neal (SUZI QUATRO BAND)
Shoji Fujii (IPPU-DO)
Ralph MacDonald


《パール》1980 (●は、使用ドラム)
ジョージ川口 ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
ジミー竹内 ●プレジデント・エクスポート
日野 元彦 ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
富樫 雅彦 ●プレジデント
石川 晶 ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
つのだ☆ひろ ●プレジデント
村上 " ポンタ"秀一 ●プレジデント
キース・ヌードソン (ドゥービー・ブラザース) ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
チェスター・トンプソン ●プレジデント・エクスポート
アル・ムザーン ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
ピーター・クリス (キッス) ●プレジデント・エクスポート
アンディー・ウォード (キャメル) ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
レス・ビンクス (ジュダース・プリースト) ●ジャイアント・ステップ " アーティスト"
スティックス・フーパー (クルセイダーズ) ●プレジデント・エクスポート
アート・ブレーキー ●プレジデント・エクスポート
ブッチ・マイルス ●プレジデント・エクスポート
中村 よしゆき
海老沢 一博
三沢 晴美 (原 信夫とシャープ&フラッツ)
土肥 晃 (村岡 健グループ)
古本 敬三 (チャーリー石黒と東京パンチョス)
阿野 次男 (森 寿男とブルーコーツ)
上地 康夫 (松本 文男とミュージックメイカーズ)
古沢 良次郎
マーティー・ブレイシー (美乃家セントラルステイション)
植田 芳暁
ニヤナ・ムールティー
松本 輝男 (ガス)
寺井 貢 (めんたんぴん)
土居 正和 (ベーカーショップ)
スティーブ・ジャクソン

市岡 誠一郎
倉田 在秀
小山 彰太 (山下 洋輔トリオ)
山崎 泰弘
豊住 芳三郎
四方田 勇夫
田島 康史 (T・バード)
相良 宗男
川越 秀彦
ジョン・ハートマン
そうる透 (東京おとぼけキャッツ)
鈴木 徹
井上 " シーチャン"茂
小野 裕介
大子 聡
佐藤 秀光 (クールス)
トッパー (クラッシュ)
上田 雅利
リューベン
下谷 一夫
ブッチ・トラックス (オールマン・ブラザース)
ラット・スカビーズ (ダムド)

以下、欄外 (写真無し)
ブラッド (スペシャルズ)
ジョン・ゲーラン (L・Aエクスプレス)
ポール・ハンフリー
鈴木 洋行 (ファイブ・カラッツ)
田中 清司
佐藤 仁 (ペドロ&カプリシャス)
永田 アキラ (スマイリー小原とスカイライナーズ)
ジョージ中河
白岡 隆 (有馬 徹とノーチェ・クバーナ)
豊岡 豊とスイングフェイス
岡本 章生とゲイスターズ
生活向上委員会
アル・トンプソン (グラディス・ナイト&ピップス)
ロッキー・ホワイト (マーサ・エリントン・オーケストラ)
ドナルド・ベイリー

ボブズフィッシュ・マーケット
九里 一也
ダニー・リッチモンド
チェット・マクラケン (ドゥービーブラザース)
沖村 公平
ダウンタウン・ファイティング・ブギウギバンド
etc.

《TAMA》1980年
BILLY COBHAM
LENNY WHITE
JOE ENGLISH (SEA LEVEL) 後にPAUL McCARTNEY&WINGS
MICK FLEETWOOD (FLEETWOOD MACK)
WILLIE LEACOX (AMERICA)
BRIAN DOWNEI (THINLIZZY)
NEIL PEART (RUSH)
DAVE HOUGHTON (JOE JAKSON GROUP)
TOMMY SNYDER (GODIEGO)
STAN LYNCH (TOM PETTY & HEATBREAKERS)
STWART COPELAND (THE POLICE)
TOSHIAKI HAYASHI (MASAHIRO KUWANA & TEADROP)
JOHN PANOZZO (STIX)
GENE DUNLAP (EARL KLUGH BAND)
YOSHIHIRO YOTSUDA (GEOGE YANAGI & RAINYWOOD)
LIBETY DEVITTO (BILLY JOEL)
TRIS IMBODEN (KENNY LOGGINS BAND)
SIMON PHILLIPS (STANLEY CLARK GROUP)
JEAN PIERRL PREVOTAT (STUDIO FRANS)
MIKE KOZAK (TEAZ)
YOSHITAKA SHIMADA (C'MAKI & LAFF)
JOHN WERE (EMMYLOU HARRIS)
RICHARD ADELMAN (DONNA AUMMER BAND)
TSUTOMU YAMASITA
KIYOSHI HASEGAWA (DAN IKEDA & NEWBREED)
DUFFTY JACKSON (COUNT BASIE ORCHESTRA)
SHOICHI KAWAUCHI (GUSH OUT)
ARMOND CAVARERO (RAYMOND LEFEVRE)
NOBORU SOUMA (MITURU ONO & AWING BEAVERS)
UGANDA TORA (BUSY-4)
SIMON CROWE (BOOMTOWN RATS)
TSUTOMU CHICAHISA (SMAILER)
DAIJI OKAI (YONIN BAYASI)
CED SHARPLEY (GARAY NUMAN BAND)
IAN HOFFMAN (STUDIO DRUMER)
SIMON (IZUMI YOUJI & WAKEUP)
GIMMY DRAIBER (SILVER STARS)
TERRY BOZZIO (U,K)
DON MARRS (CHERY McCLIN GROUP)
JACKSON SPIRES (BLACKFOOT)
TAKASHI FURUTA (HARADA SHINJI & BAND)
HISAKI NAKANISHI (N,S,P)
KAZUKIYO FUJIMURA (HOUND DOG)
DENNIS W:LEE (THE CUMBERLANDS)
DANNY GUCILLO (SHOW DRUMER)
TAKASHI TAKAGI (CRAWDY)
UKIHIRO TAKAHASHI (YELLOW MAGIC ORCHESTRA)
STEVE JANSEN (JAPAN)
PRESTON HEYMAN (KETE BUSH BAND)

 とまぁ〜、今をときめくそうそうたるドラマー達が名を連ねてますね。さて、'80年のカタログになるとやたらと目に付きますメーカーの姿勢&方針ですが、ヤマハは「あらゆるジャンルの、世界のトップ・ドラマーを虜にしたYD-9000をベースに、さらに高いグレードを身につけました。例えば、厳選に厳選を重ねたカバ材のみを使用したシェルの表面は、入念な塗装仕上げ。ソリッド・サウンドを少しも損なうことなく、同時に最高級にふさわしい華麗な表情を誇っています。バス・ドラの木製リムもシェルに合わせた同色塗装。もちろんシェル、リムともヤマハ独自のエア・バック成型方式によって作られるため真円度の高さは抜群です。シェル内面はサンセット・ブラウン塗装。ソリッド・ブラックのみ、ステージ効果への配慮から同色塗装としました」とあります。

(注3) ジュピター・スネア・ドラム
 パールは、新しくはブラス・シェルのジュピター・スネア・ドラム(注3)がこの年にデビュー! ミュージシャン・モデルとしてピーター・クリス・モデル、ファイバーグラス・スネアドラムの14"×10"の超深胴がラインナップ!
 カタログの見開きには、「パールは、'80年代の手始めとして、世界中のドラマーに、パールのサウンドを知ってもらい、あらゆるドラマーの力になるために、海外へ大きく飛躍します。アメリカではすでに、テネシー州ナッシュビルにドラム工場を設立、イギリス、ロンドンにはパール・ミュージックをオープンさせました」とあります。その横には、

○ パール Musical Instrument Co.
Chiba-Ken,Japan
○ パール International,Inc.
Nashville,Tennessee U.S.A.
○ パール Music Co.Ltd.
London,England
○ パール Musical Instrument Co.of Taiwan.
Taichung,Taiwan
と、アドレスが記されていますね。

(注4) ベルブラス・シェル
 TAMAは、ラッシュのニール・パートが使っていたウッド・ティンパレスが発売になってます。スネアーに、今も尚現役(?) ローズウッド・シェルがラインナップに。そして、当時では破格のスネアー! ベルブラス・シェル(注4)もお目見え。
 どれぐらい破格かと言いますと、ローズウッド14"×6.5"が'80年には¥55、000。現行'05年¥60、000。ベルブラス14"×6.5"は、当時なんと¥138、000!!!

 カタログの見開きには、「10年前「タマ」というブランドはドラム市場にありませんでした。1974年に独創的なブーム式スタンドを発表、私たちのデビューです。それからマルチ、タム・ホルダーを考案しました。私たちは脚回りから、考え直したのです。数多くのメーカーが私たちの基本アイディアをコピーしました。当時無名のTAMAを一躍世界の檜舞台に引っぱり出したのは、なんと私たちの競合メーカーだったのです。
 「TAMA」のドラムは良心的で、音響、構造理論の強い裏づけによって製品化された科学的なドラムです。なぜヒート・コンプレックスなのか、なぜ手間のかかるシート全面接着なのか、なぜスタンド類を重くするのか。それはあいまいな伝統とか抽象的な感じによってつくられた型ばかりのドラムに対する紳士なる挑戦です。タマを使っているドラマーを考えてみても、ドラムにこだわる、強い感性と明確な理論を持つ人が多い。卓越したアイディアをどこよりも早く製品化したタマの技術、タマの良心を感じとっていただければ幸いです」。

 各メーカーの、非常に海外を意識したコメントが印象的ですね。補足として、パールは1980の新製品カタログが手元にありますので、新たに加わったパール・エンドーサーも含め紹介します。

《パール》1980新製品カタログ
キース・ヌードソン (ドゥービー・ブラザース)
チェット・マクラッケン (ドゥービー・ブラザース)
ピーター・クリス (キッス)
スティックス・フーパー (クルセイダーズ)
村上 " ポンタ"秀一
つのだ☆ひろ
アル・ムザーン
チェスター・トンプソン
王子 聡 (クリエイション)
そうる透 (ダディ竹千代&東京おとぼけロックンロールCATS)
青山 純 (プリズム)
鈴木 " リカ"徹 (森園 勝敏&バーズアイビュー)
相良宗男 (森園 勝敏&バーズアイビュー)
佐藤 秀光 (クールス・ロカビリー・クラブ)
土肥 晃 (村岡 健グループ)
鈴木 " ウータン"正夫 (山岸 潤史グループ)
新保 清考 (シャネルズ)
菊池 隆 (生活向上委員会)
亀山 賢一 (生活向上委員会)
山木 秀夫
松本 輝夫 (ガス)
小野 裕介
井上 " シーチャン"茂 (高中 正義グループ)
マーティー・ブレーシー (モンタ&ブラザース)
リューベン (美乃家セントラルステイション)
下谷 一夫 (フラッシュバック)
浅岡 タカシ (ダウンタウン・ファイティング・ブギウギバンド)
アンディー・ウォード (キャメル)
ブッチ・トラックス (オールマンブラザース)
ブラッド (スペシャルズ)
トッパー (クラッシュ)

 ここで、何故わざわざパールの新製品カタログを紹介したか不思議ですよね? たまたま現存していたのも確かなのですが、よくぞ現存していてくれたと思うぐらいに'80年代ジャパン・ドラムの幕開けを垣間見る出来事が記されているんですよ! 残念ながら、ヤマハ&TAMAは資料がないのでなんとも言えませんが、パールと同様だと思いますが(?)

「パール・ドラムの新しいスタイル − それは海外で急激に人気が高まっている "深胴" です。深胴はそもそもダブル・ヘッド・タムタムのサウンドを追求するとこらから始まりました。従来のレギュラーサイズのタム・タムは、ハイピッチの場合はともかくローピッチの時にヘッドの張りが緩くなるのでドラム本来の鳴りが得られ難い、というウィーク・ポイントがあります。ところがドラマーの中でもローピッチ・サウンドを好む人が多いという今の音楽状況を見れば、この点は是非とも克服されなければならない点だったのです。深胴ドラムはそれらの様々な状況に対応すべく誕生し、ドラムの可能性を著しく広げることに成功しました。パールの深胴ドラムはプロモデルだけでなく、スタンダードモデルにも登場。レギュラーサイズのタム・タムでは味わえない力強い重低音、そして際立った音のサスティーンを実現した深胴ドラム・シリーズは、個性派ドラムを提唱するパールが全力投球してつくり上げた自信作です」と、あります。
 そして、この頃のサウンド・メイクには欠かせない、深胴にローピッチといえば、レモのピンストライプも一役かってましたね! この後、'80年代後半にはソナーの台頭によりスクエアー・サイズ (等インチ=口径と深さが同じサイズ) にまで進化する深胴は、実はこの時期から始まっていたんですね。ちなみに、ここまでのレギュラーサイズはというと、

ヤマハ
バス・ドラム = 26"×14"、24"×14"、22"×14"、20"×14"、18"×14"
フロア・タム = 14"×14"、16"×16"、18"×16"
タム・タム = 10"×8"、12"×8"、13"×9"、14"×10"、15"×12"

パール
バス・ドラム = 18"×14"、20"×14"、22"×14"、24"×14"、26"×14"
フロア・タム = 14"×14"、16"×16"、18"×16"
タム・タム = 8"×5.5"、8"×8"、10"×6.5"、10"×8"、12"×8"、12"×9"
13"×9"、13"×10"、14"×10"、15"×12"


TAMA
バス・ドラム = 18"×14"、20"×14"、22"×14"、24"×14"、26"×14"
フロア・タム = 14"×14"、16"×16"、18"×16"、20"×18"
タム・タム = 8"×8"、10"×8"、12"×8"、13"×9"、14"×10"、15"×12"


そして、'80年深胴宣言したパールのサイズは、
バス・ドラム = 18"×14"、20"×14"、22"×14"、24"×14"、26"×14"
フロア・タム = 14"×14"、16"×16"、18"×16"
タム・タム = 8"×5.5"、8"×8"、12"×8"、12"×10"、13"×9"、13"×11"
14"×10"、14"×12"、15"×12"、15"×14"

 と、実はタム・タムが1インチ深くなっただけの幕開けでした(笑)

(注5) 春慶塗り
 ついでにと言ったら変ですが、パールもこのカタログからウォルナット・ナチュラルメイプルのラッカーフィニッシュと春慶塗り(注5)という漆塗り(珍しい! ですが、アッ、と言う間に無くなりました) が登場してます。

 ところで、海外の深胴事情はどうかと思ったので、今や苦しい時のRED氏頼みということで聞いたところ、
「1980年代の深胴海外編ですが、手元のカタログだと、ラディックは1984年には深胴モデルが出てますねぇ。いつから出しているのかは不明ですが、1975年のカタログには登場してません。グレッチはすみません、1981年と1990年のカタログしか無いので不明ですが、1981年のカタログにはまだ登場していません。ちなみに、スリンガーランドは1983年時点で未掲載、1988年掲載。ソナーは、1983年でバリバリ深胴です(笑)"

 さてさて、時代検証はこのくらいにしまして、ここまで色々な "点" を書いてきましたが、いよいよその "ジェフ点" を私なりに繋げて "ジェフ線" にしようと思います、あくまで私なりの "ジェフ線" なので、皆さんは皆さんなりの "ジェフ線" を引いてみてくだされば結構! 是非、そうして一つのパズルを組み立てるみたいに楽しんでみて下さい。では、いよいよお得意の妄想開始で〜す!

戻る 進む