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ジェフ・ポカーロ・シグネチャー・スティックの考察 by 孔雀さん
先日、『Guest Book』にて話題になっておりましたジェフのシグネチャー・スティックですが(注1)、孔雀さんより緊急レポートを頂戴しましたので、早速ご紹介したいと思います。

ジェフ・ポカーロ・シグネチャー・スティック

 Jeff's Worldの皆さんはじめまして! 孔雀と申します (昨年の夏の「ポチっとね!」のコーナーでこのハンドル・ネームで投稿していました)。いつも大変興味深くホームページを拝見させていただいております。さて、『Guest Book』で話題になっていましたジェフのシグネイチャー・スティックですが、私の手持ちのスティックの画像を送らせていただきますので、皆さんのお役に立てば幸いです。

【画像1】は一番上のパールの110Aモデル以外は REGALのCalato モデルで、年代順に並んでいます。これらのスティックは記憶が定かでないのですが、発売日はともかくとして、購入したのはすべて'85年以降であることは間違いありません。

 パールのものですが、'90年位迄はジェフのシグネチャー入りのものが普通に店頭に置いてあったような気がします(110A自体は今も販売されていると思います)。

 2番目のCalatoのパフォーマ・シリーズですが、こいつは記憶がはっきりしています。なぜならジェフが逝去されたすぐ後のリズム&ドラム・マガジン誌(注2)に掲載されていた野中貿易の広告でジェフの写真と共にブラディのスネアが紹介されており、それと一緒にこのシグネイチャー・スティックが紹介されていたからです。従って、日本での発売は'92年後半頃だと思います。

 3番目、4番目に関してはたまたま楽器店でスティックを見ていたらあったので買ってしまったという感じですので発売日はよく分かりません。 この頃はドラム・マガジン誌の購入を殆んどしておらず情報入手をしていなかったこともありますが、ジェフが逝去した後にシグネイチャー・スティックがデザイン変更された上で継続販売されるとは考えていなかったから、という理由もありますね。

 ジェフの教則ビデオのエンド・ロール(【画像2】)に "Regal Tip Drum Sticks" の文字が流れますので少なくともこの頃('87年−'88年)はすでにCalatoとの交流があったのだと思います。


 【画像3】はスティックの先端部分を写した画像ですが、後端部分をツライチに揃えた状態で撮影しましたので微妙な長さの違いやチップ形状の差とかも判ると思います。

 これらのスティックを実際に使用してみての印象ですが、あくまで個人的な使用感、そして購入してから相当な年月が経過していますので木が水分を吸ったり、あるいは乾燥してしまったりと、購入当時の状態ではないということはご理解いただきたくよろしくお願いいたします。又、私はドラム・セットを所有しておりません、それどころかスネアさえ持っていません(^^;; ので叩き心地については「膝」を叩いた感想になります。

 そういう状況で比較してみますと、 パールのものは一番短いにも関わらず一番重い感じです。また握り心地はパールのものが 一番太い気がします。2番目のCalatoパフォーマーは手のひらの延長のようなフィット感があり重くもなく軽くもなく良いバランスだと思います。また握り心地は4種類の中で一番細身のような気がします。 実際はCalatoの3種に関してはどれも同じような太さのようですが握った感じが異なるということです。
 3番目と4番目に関してはどちらも同じような感触で2番目よりもやや重めの感触ですが、 パールのものよりは軽い感触です。

 表面の仕上げについてですがパールのものはスベスベの状態ですが、Calatoのものは全てザラッとした仕上げで、これは実際に使用する際に汗で滑らないようにわざとそういった仕上げにしているものと思われます。実際、ジェフが手のひらの痙攣に悩まされたときにスティック表面のラッカー塗装をサンドペーパで剥がしたら、その後2年間は大丈夫だったとインタビューで語っていますし(注3)、見てくれよりも中身を重視したCalatoの思想はたいした ものだと思います。

 以上が、私の所持するジェフのシグネチャー・スティックついてです。これ以外に違ったデザインのものがあるのかどうかは分かりません。他の方で情報をお持ちの方がおりましたらフォローをお願いします。

(注1) 2005年3月頃の『Guest Book』を参照
(注2) リズム&ドラム・マガジン誌1992年10月号
(注3) 痙攣に悩まされたのはジェフが15歳の頃です。 また、この件をインタビューで話した時期は'83年ですので Calatoとの因果関係は不明です。このインタビューは『ドラム・ブラザー』P.32ページに掲載されています。

   《 孔雀さんに突撃インタビュー! 》

<JW>ドラムにはまったきっかけはどんな理由からですか? やはりジェフからですか?

<孔>私は今はドラムにハマッていますが、もともとは管理人さんと同じようにギター弾きでして......ルークのギター譜をよく購入して練習してました。 当時、E・ギターといえばギブソンやフェンダーのオールド・モデルがプロ・ギタリストの中で流行していまして、私もルークが使っていた'59年製レスポールに憧れていました。TOKAIやGRECOのコピー・モデルのカタログを穴が開く程見ていたことを思い出します。(^^;;;; ドラムはギターをやっているころから興味はあったのですが、当時ドラムといえば目立たないパート。。。という印象が一般的で、バンドでプレイしてみようという気にはなかなかなれませんでした。 そんな折、どうしてもドラムをやれる(またはやってくれる)人が見つからず、とうとう「仕方ない、俺がやるよ。。。。」みたいなノリで始めたのがきっかけです。ですので、必要に迫られて。。。。というのが理由ですね。

<JW>それでは今はもうドラム一筋なのですか?

<孔>たまにギターを出して弾くこともありますが、練習という意味では ドラムばかりですね。といってもイスとペダル&キックパッドだけですが(^^;;;; シャドウドラミングというか。。。。 ただし、シューズにはボウリング用のシューズを使っています。これはソールが硬質で、かつフェルトが貼り付けてあるので、スライド奏法やるのにスムーズなのがメリットです(スベリが悪いときはベビーパウダーを降りかけます)。

<JW>ジェフ・ポーカロというドラマーの印象を一言お願いします。

<孔>ジェフの唯一の教則ビデオをご覧になった方は共感されると思いますが、なんて無駄のない、力の抜けた、四肢の動きなんだろうと驚いたことを思い出します。あんなに軽く(見える)叩き方で、あれほどの説得力のある力強い音が出せるものなのだろうかと。。。。。
あのフォームを見てしまうと、オーバー・アクション気味のドラマーの動きがなんだか滑稽に見えてくるほどです。


というわけで孔雀さんのレポートと突撃インタビューでした。ジェフの名を "ポカーロ" と綴るところに孔雀さんの拘りを感じますね。さて、続いてはおまけのページで〜す。
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