PAiSTEプチ勉強会


 今回のテキスト作成と並行し、少々趣向を変えるため"ジェフSさん""Toshiさん"にご協力いただき"座談会コーナー"を設定。おおよそテキストも仕上がり、座談会も話しが出尽くした頃、少し楽器事情にお詳しい、ある方"Mr.P氏"に、
「今、ジェフ・ポーカロの使っていたシンバルを調べてるのですが、'90−'91年のセッティング図ではパイステ・シグネチャー・シリーズになってます。私は、てっきりザ・パイステ・ライン(Paisteは筆記体)を使ってたとばかり思ってました。そこで、私の持ってる当時の'90年前後のカタログを見てみると、ザ・パイステ・ライン・シリーズはあるんですが、パイステ・シグネチャーというシリーズが無いのです。後に、'95年頃のカタログからザ・パイステ・ライン・シグネチャーとはなってはいますが…」
 このことを、Mr.P氏に伝えると、
「シグネチャーは、最初日本でも"The Paiste"という新鮮なロゴでデビューして、これぞパイステというネーミングの最高級シリーズって感じだったと思いますよ」

 そこで、現在は? と思いパイステ社のホーム・ページを見てみることに。先ずは、海外のPaisteのSeries。でも、The Paiste LINEというシリーズなく、単に、Signatureとしか書かれてない。ただし、Alloy : Proprietary Signature Bronzeという素材(合金の素材)がスペックとして表示されています。


「あれ、これはどういうことだ?」と思った私、次に日本の輸入元のホームページへ。すると、


 明らかに、同じページの翻訳のはずが、
海外は、Signature
国内は、Signature"the Paiste"
と、商品名に若干の違い。

 そこで、翻訳の説明を読んでみると、
「1987年に開発された「PAT.#4.809.581」を最初に使用し、1989年にリリースされたのが、「ザ・パイステ」=シグネチャー・モデルです。」
 この説明がカタカナだったからか? ここに Signature Bronze (シグネチャーブロンズ)と書いてあれば分かりやすかったのですが。ピンと来てない私の頭に浮かんだ言葉、ドラム・マガジンでのインタビュー'85年、
「602とプロトタイプを使ってる」と、ジェフ。

ならば、
「ザ・パイステ・ラインというシリーズどこ?」と翻訳のホームページを見渡してると、カタログダウンロードのリンクを発見。長らく、楽器店でのカタログ収集?(苦笑)をしてなかったので、現在の状況確認の為ダウンロード。


 そして、驚愕


 おーっと、いきなり!
 はいはい、出てきました出てきましたとも、SignatureもThe PaisteもTHE Paiste LINEも、英語もカタカナも全部セット!(笑) キーワード勢揃いのいきなりな状況で、先ほど、ピンと来てない私の頭の中も、いっきに"見えない壁"に手が触れた感じに… とはいえ、"Propriatery Signature Alloy"という素材のスペック表示はありません。
 が、ここは落ち着いて、もう一つ、テキスト作成でのカタログ整理時、私の中で、妙な引っかかりが残のこっている日本の1989年価格表に。

 おわかりいただけますでしょうか? 妙な引っかかり。左の表紙では、"THE PAISTE series"ですが、価格表には、"THE Paiste LINE"に…。
 う〜ん、何となく…、
 この記載のチグハグは、許される? としても、価格表(本カタログが見たい!)だから、一番肝心なAlloy(合金)の表記がされていません。
 なぜ、そこが大切かと思われますよね。それは1987年に開発された「PAT.#4.809.581」Alloy(合金)が、"Proprietary Signature Bronze"という名前だったからです。

 では、ドラマガインタビュー'85年、「602とプロトタイプを使ってる。」と、ジェフの言葉から、何を妄想してしまったか!?(笑)

「プロトタイプ=試作品」との事も踏まえて…、色々な思いや言葉を胸に、超妄想突入。

 つまり、それらをまとめると、
「パイステは1980年代に、新しい素材=Signature Bronze を開発し、1987年にパテントを取り、1989年に発売、これが シグネチャー・シリーズ 。」
 というとこから、'85年のインタビューでの、「602とプロトタイプを使ってる。」 は、新しい素材=Alloy(合金)を使ったシンバルを、ジェフなどの、パイステとエンドース契約をいしている有力ミュージシャンにテスト用サンプルを使ってもらい、莫大なデータを集めていた。かなり偏った私、今回、"Mr.P氏"に"ジェフなどの"という指摘に目が覚めました。
 折しも'80年代といえば、新たにセイビアンが発売になったり、ジルジャンもZシリーズとかの展開を始めていたはず。だからこそ、パイステも新しいシンバルの開発が必要だったのでしょう。パイステにとって、ジェフは最も信頼していたアーティストの一人。彼がそのシンバルのプロトタイプをツアーなどでテストし、製品化されるまでを見届けた。

 '90年代のパイステの躍進を見ても、現在のシグネチャーシリーズの展開をみても、ジェフの時代にこの新しいサウンドが生まれた、ということが嬉しいですね。私たちが聴いていたあの音は、試作を重ねて製品化するまでのプロセスでもあるわけですから。


 "ジェフとシンバルと私"いかがでしたでしょうか?

 皆さんの期待に答えられたかどうかは分かりませんが、何となく形に出来たのではないか? と思います。結局は、毎度いつもの通り、思い込み、偏った見方、間違った記憶、独断と偏見等々による、超妄想から生まれた、こうであったら!こうであって欲しい!ジェフ像、ジェフ使用楽器。
 今回のシンバルも…ジェフが亡くなり、失意のどん底にいた私。何かを追いかけようとしてる私を見かね、当時、あまり普及してなかったネット検索で、バンド仲間が見つけてくれた"悩ましいセッティング図"。Signature Seriesと書かれたシンバルのSignatureをSignature Bronzeではなく、ラインナップが近いザ・パイステ・ラインをシグネチャー・モデル(特定の著名人の名を冠したシンバル)=ジェフ・モデルと思い込んでしまった。調べて、聞いて、話して、くどくどテキストを書き、辿りついた先は、"シグネチャー"の理解不足でした。行数にすれば、ほんの一行、お恥ずかしい限りです…
 そして、当初の、Paiste Cymbals Signature Series THE PAISTE LINE は必ずしも間違いじゃなかった。

 またひとつ、よい勉強ができました!
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