World Tour
TOTO _ Live at the Agola

Place :
Agora Ballroom in Cleveland, Ohio, U.S.

TOTO :
Jeff Porcaro : drums
David Paich : vocal, Keboards
Steve Lukather : guitar, vocal
David Hungate : bass
Steve Porcaro : Keyboards
Bobby Kimball : vocal, keyboards

Support :
Lenny Castero : percussion, vocal
Tom Kelly : backing vocal, guitar


1. Girl Goodbye
2. Manuela Run
3. I'll Supply the Love
4. Tale of a Man
5. Rockmaker
6. Hold the Line
7. Hey Little Girl
8. Georgy Porgy
9. All Us Boys


name Email Address date

Jeff's World

jeffs-world@pos.to

2001.08.07


Good evenig welcome to the Agola Ballroom in Cleveland.


 デビュー・アルバム『宇宙の騎士』リリース前後にはロサンゼルスにあるロキシー等でライブをもこなしていたようなのですが、残念ながら現在ではその様子を伺い知ることは出来ません。唯一我々がその雰囲気を楽しむことが出来るモノとしては1981年頃、テレビ東京で放送されいたJunサウンズ・クリエーションという番組で2週に渡り放送されたジョージア州クリーブランドにあるアゴラでのライブでしょう。アルバムのプロモーション的な意味合いで収録されたものだとは思いますが、その演奏力には度肝を抜かれます。ライブにおいてこれだけの高水準の演奏が出来てしまうというのは驚異的なテクニックというものを感じるわけで......TOTOといえども毎回このような演奏が出来る訳でもないのは皆さん周知のことで、故にこの演奏の素晴らしさが浮き彫りになると思います。
 この日のジェフの使用セットはおそらくラディック社製のナチュラル・フィニッシュのオールド・モデル。これはスティーリー・ダン時代から愛用しているものと同一と思われます。私の目にはかなり深い胴に見えるのですが、これはボトムのリムを外しているからでしょうか?
 
 で、とにかく素晴らしい演奏なわけですが、番組の至るところに挿入されるビデオ・ジョッキー(渡辺稔氏)の声がやたらうるさいのですが(__;)......これはだけは非常に残念でなりません、その背後ではあのイントロダクションが始まります......。
 しょっぱなからこのリズム隊の威力が如何なく発揮される(1) Girl Goodbye なのです。このライブでは本当に勉強させらる面が多いわけですが、とにかく特筆すべきなのはリズム隊の安定感でしょう。この曲のリフを刻む時のジェフとデヴィッド・ハンゲイトの組み合わせは、正に強力無比という表現がピッタリですね。何故ジェフが自分の相棒としてデヴィッド・ハンゲイトを選んだかが如実に現れている一面であると思います。例え、上物がなくても彼ら二人のグルーブというのは飽きずにずっと聞いてらんじゃないかなぁ〜。
 それからスティーブ・ルカサーのギターソロも特筆すべきものでしょうね。まだこの頃はレスポールをメインギターとして使用しているわけですが、“アーム”という技を使えないせいか、その分あくまでフレーズ勝負となっているわけで、脂の乗ったところを聞かせてくれます。これはあくまで私感なのですが、スティーブ・ルカサーっていう人は結構、演奏の出来、不出来の差が激しいような気もするんですが......。その時の気合いの入れ方にかなり「大きく」左右されてますよね。
 エンディングのショー・アップ度も抜群で、最後にはジェフも立ち上がってしまうほど盛り上がりを見せます。続いて(2) Manuela Run。こうしてこの曲をじっくり聴くとバンド全体が実に生き生きとしているのが良くわかります。時の流れっていうのはどうにも不思議なもので、このノリで演奏が出来たのはじつにこの瞬間だけなんですよね。日本に初来日した時点では既にバンドは大きく成長していたわけで、別の側面を見せてくれはするのですが......。意味不明なこと書いてしまってすいません(笑)。ジェフのオブリガート的な“ズ・たドン。ドンドン、たん”のフレーズには痺れます。

 (3) Tale Of A Man はボズ・スキャッグスの "Lowdown" の元ネタとして有名な曲ですね。アレンジは『ハイドラ』セッションで録音されたテイクとは若干変わっております。ここではスティーブ・ルカサーによるギターソロはなく、変わりに曲の後半部分で登場するメロディックなパートが長めに演奏されております。ハードな面が抑え気味となったせいか、ノリも含めてこちらのテイクの方がより "Lowdown" 、"Miss Sun" の延長線上に近いものがあります。スティーブ・ルカサーがフランジングを強めに効かせているのが時代を感じさせてくれます。

 これまたカッコよく演奏が決まっている(4) Rockmaker、思わず「完コピだ〜」と叫びだくなってしまいますね(笑)。サポート・メンバーとして参加しているトム・ケリーのハモリ具合が実にいい雰囲気です。このライブでは彼の役所はかなり重要な位置にありまして、この頃行った他のライブにも常に彼は帯同していたわけですが。まぁギャラ的には結構なお値段を要してしまったようで......。後年レニー・カステロがツアーを離れた原因もその辺にあったようです。
 続く(5) I'll Supply The Love でも息のあったハモリを堪能出来ます。この後しばらくは、殊コーラスという観点から考えると、TOTOというバンドは脆弱だったと言えますよね。1982年ライブ......がっかりさせられましたモンね。それもジョセフ・ウィリアムス加入後に改善されて行くわけですが。文句なくかっこ演奏です。

(6) Hold The Line ではデヴィッド・ハンゲイトの弾くベースに感動してしまうのですが......、ギター・ソロ後のブレイクではメンバー全員がステージ中央に集まり "Hold The Line" のフレーズで「客席と掛け合うと」いうお馴染みの風景が楽しめます。この日はジェフもタンバリンを片手に席を立ち、ステージ中央でコーラスに参加します。しかしジェフのドラム、絶妙ですね〜

 次の (7) Hello Little Girl......この曲も大好きなんですよね〜。TOTOのマテリアルとしてはかなり初期からあるような作品みたいですが、未だに公式にリリースされていないわけで。某ラジオ番組では、この曲のリハーサルの様子も紹介されていた位なので、実際にレコーディングも試みられているとは思うのですが......。で、この曲の持つパワー感は凄まじいです。ギターソロでのバックではリズム・リフを作っているわけですが、これなんて特に強力です。(1)Girl Goodbyeのところでも書いたように、この鋼のような安定感は何者にも代え難いものがあり、マイク・ポーカロとのコンビネーションとは全く別の凄味を感じさせてくれます。コーラス・アレンジも秀逸ではないのかな? リフレインでジェフの得意なフレーズも飛び出します! (8) Georgy Porgy もサポートのトム・ケリーが大活躍をします。コーラス・パートは勿論のことスティーブ・ルカサーのギターソロにもハモリをつけてしまう熱の入れよう。このソロ・メロディが非常に美しいので効果的であります。最後のコーラス・パート "Georgy Porgy〜" という所で、それまで地味にオルガンを弾いていた御大ボビー・キンボールが「ここぞとばかりに」フロントに登場してくるわけですが、その仕草がハマリ過ぎていて可笑しいです。

 ラストに持って来たのは (9) All Us Boys です。この曲に至ってはこの時点で完全に仕上がっている状態で『ハイドラ』に収録されたアレンジと全く同様の演奏をしております。皆さんが注目するのは二番の "Mothers tell your daughters〜" でリズム・ブレイクする所......、ジェフがこのパートではドラム・セットから立ち上がり両手を上げて喜んでいるシーンかな......、しかし一瞬にしてセットに着くと平然とした顔で流れるようなフィル・インを決めてくれるわけです! まぁ昔はこの部分何度も繰り返し見ては痺れたもんですわ(笑)。あっ、それから "チャラ・ラ〜" のギターソロのシーン、ボビ・キンさんが、ペイチ氏に必死に目で訴えるも、あっさりかわされてしまうのが寂しいです(__;) 
そして、そしてジェフは最後のエンド・ロールに至っては得意のフィル“ん・タタタ・だ〜ん、ん・タタタ・だ〜ん”をかましてくれているのですが、悲しいかな、ここはカメラが引きで映しているのでジェフのスティックさばききが全く見えません!!

 とにかく文句なしに凄いライブなわけです。このマスター・テープはどこかの倉庫で眠ってしまってるんですよね。もったいない。 プログラム・パッケージ的にはカンパケの状態なんですから、いつの日かきちんとして形で陽の目を浴びさせていただきたいものです。


おまけのギャラリーを設けてみました ---> 非常に重いです。

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