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10CC
...Meanwhile

Produced by: produced By Gary Katz, Additional Production By 10CC. Except* Mixed By Eric Stewart And Robin Barday
Label : POLYDOR Ltd
Release : 1992
Records: PCOP-1221

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1. Woman In Love (Stewart, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Rhodes Piano, Slide Guitar, Backing Vocals, Strings
Graham Gouldman : Electric Guitar, Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums, Percussion
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar

2. Wonderland (Stewart, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Rhodes Piano, Slide Guitar, Backing Vocals, Voics Loops
Graham Gouldman : Electric Guitar, Backing Vocals
Lol Creme : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums, Percussion
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Mickael Landan : Lead Guitar
David Paich : Hammond B3 Organ

3. Fill Her Up (Stewart, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Rhythm Guitar, Lead Guitar, Backing Vocals
Graham Gouldman : Electric Guitar, Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums, Percussion
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Mac Rebenack (Dr. John) : Grand Piano

4. Something Special
(Stewart, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Rhodes Piano, Backing Vocals
Graham Gouldman : Electric Guitar, Backing Vocals
Lol Creme : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums, Percussion
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Mac Rebenack (Dr. John) : Grand Piano

5. Welcome To Paradise
* (Stewart, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Rhodes Piano, Backing Vocals
Graham Gouldman : Electric Guitar, Lead Guitar, Backing Vocals
Lol Creme : Backing Vocals
Kevin Godley : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums, Percussion
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Paul Griffen : Synths
David Paich : Melody Synths
Mickael Landan : Lead Guitar
Bashiri Johnson : Percussion
Frank Floyd Backing vocals
Fronzie Thornton Backing Vocals
Curtis King : Backing Vocals
Tawatha Agee : Backing Vocals
Vaneese Thomas : Backing Vocals
Jerry Hay : Horn Arrangement, Trumpet
Gary Grant : Trumpet
Dan Higgins : Saxophone

6. The Stars Didn't Show (Stewart, Gouldman)
Kevin Godley : Lead Vocals
Eric Stewart : Voics Loops, Rhodes Piano, Backing Vocals
Graham Gouldman : Electric Guitar, Accustic Guitar, Backing Vocals
Lol Creme : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Mickael Landan : Lead Guitar
Bashiri Johnson : Percussion
David Paich : Hammond B3 Organ

7. Green Eyed Monster (Stewart, Gould man)
Eric Stewart : Lead Voacal, Rhodes Piano, Lead Guitar, Backing Vocals, Strings
Graham Gouldman : Electric Guitar, Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums, Percussion
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Jerry Hay : Horn Arrangement, Trumpet
Gary Grant : Trumpet
Dan Higgins : Saxophone
Kim Hutchcroften : Saxophone
Bashiri Johnson : Tambourine
Bill Reichebach : Trombone
Mickael Landan : Lead Guitar

8. Charity Begins At Home (Stewart, Gould man)
Eric Stewart : Lead Voacal, Grand Piano, Lead Guitar, Backing Vocals
Graham Gouldman : Electric Guitar,Backing Vocals
Lol Creme : Backing Vocals
Kevin Godley : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Gordon Gaines : Lead Guitar
Andrew Gold : 12 Strings Guitar
Mac Rebenack (Dr. John) : Grand Piano

9. Shine A Light In The Dark (Stewart, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Grand Piano, Lead Guitar, Backing Vocals
Graham Gouldman : Electric Guitar,Backing Vocals
Lol Creme : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Mickael Landan : Lead Guitar
Bashiri Johnson : Percussion

10. Don't Break The Promises* (Stewart, Mccartney, Gouldman)
Eric Stewart : Lead Voacal, Fender Rhodes Piano
Graham Gouldman : Electric Guitar, Accustic Guitar
Lol Creme : Backing Vocals
Jeff Porcaro : Drums
Freddie Washington : 5 Strings Bass Guitar
Mickael Landan : Lead Guitar
David Paich : Strings Synths

Recorded at
Bearsville Studio, Woodstock, N.Y.
The Hit Factory, New Your, N.Y.
River Sound Studio, New Your, N.Y.
Bill Schner Studio, Los Angeles, California
Village Recorders, Los Angeles, California

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Jeff's World

jeffs-world@pos.to

2000.09.27


 1992年にリリースされた10CC復活記念アルバム。ジェフが晩年に行ったセッション・ワークとしてはかなりラストに近いものでしょう。私個人としては10CCというバンドに全く馴染みなく、正直な所このアルバムを聴くまで一切彼らの曲を聴いたことがありませんでした(......意識的にとういう意味で)。もちろん“10CC”、“ゴドレー&クリーム”というビッグネームは知っておりましたが。というわけでこのアルバム『...Meanwhihle』が10CC初体験であります。
アルバム・タイトルである『...Meanwhile』ですが、頭に付く"..."には何か特別な意味が込められているのでしょうか? 10CCファンの方ご存じでしたら情報をお寄せ下さいませ。
さてライナーノーツによればこのアルバムの制作が始まる迄は何とバンドは解散状態にあったようでありまして、実際に録音の行われた1991年より再び活動を再開し、このアルバムがその復帰第一段となったそうです。その際にプロデューサーとして迎えられたのがかのゲイリー・カッツであり、そのゲイリー・カッツ御用達ドラマーといえば我らがジェフ・ポーカロであります。ジェフは収録されている全10曲、全ての曲でドラムを担当しており、更にこのアルバムでは兼パーカッションとしてもクレジットされております。収録された全ての曲でジェフはほぼ完璧と言ってよい位素晴らしい仕事をこなしており、円熟の境地に達してたスーバー・グルーヴが味わえる一枚ではないでしょうか。ただし残念なことにアメリカでは本アルバムはリリースされていない模様であり、日本でも現在は廃盤扱いになっているようです。
それでは楽曲毎に簡単な感想を書いてみます。
 アルバム冒頭にはキーボードによるイントロダクションが添えられており、それに続いて(1)Woman In Love がフェイド・インして曲が始まります。このイントロダクションは中には“...Meanwhile, ...Meanwhile”と唄っているパートがありますが、本アルバム中にはタイトルソングが含まれていないのでアルバム紹介といった意味合いのものではないでしょうか? シングル盤としてリリースされた“Woman in Love”にこの部分が含まれているのかは不明です。イントロ途中、右チャンネルから挿入されるマラカス調のシーケンス・トラックですが、パーカッションとしてクレジットされていることからジェフによるプログラミングでしょう(実際に演奏はしていないでしょう)。これが全編流れることにでリズム・トラックに厚みをもたらしており、そしてジェフの刻むハイハットと音域がちょうど重なることで微妙なうねりを生み出しています。非常にいい感じになってますね。アルバムの開始から1分25秒前後に必殺の三連符(四連符?)が入るのですが、これも強烈です。何ということのない普通の3連符なわけですが、タイミングといい、ダイナミクスといい、もう完璧でしょう。同様のフレーズはこの曲随所で聞かれますが、ここの部分が一番綺麗に決まっている! ジェフ・マニアの皆さん、必聴ですよ。アルバム全体に言えることですが、ジェフのプレイはこの時期の典型的なソリッド&硬質なノリに終始しており、特にスネアの音などは最高にカッコイイ音で録音されております。まぁ、このアルバムではスネアだけには限りませんが、タム、シンバル系......どれを取っても私好みの音に仕上げられており、思わずうっとりしてしまいます。
 しかしあえてこの曲に苦言を呈するなら、イントロが異常な位長いですねぇ〜。もう殆どワン・コーラスをインストで聞かされているようなもんですから、ハイ。こんなに長く引っ張る必要性があるのかな〜と思いますが。それと全体が、こう空間を漂うような雰囲気があるのですが......、ジェフの作り出すリズム・トラックもその要因の一つではあると思うのですが、もう一つは誰が弾いているのか分かりませんがナチュラルトーンで奏でるアルペジオのギターが所々でパンニングを繰り返してるんですね。これんには「やられたー」という感じです。
(2)Wonderland
 ジェフの刻むドラム・トラックによるフェイド・インで曲が始まり、終始このリズムが曲を支配します。恐らくはこの曲でもジェフは一人で複合トラックを占有し、重厚なでリズム・セクションを作っているようです。タムタムによるリズムは生身のジェフによるもので、右チャンネルのトライアングル、そしてセンターのリムショットはシーケンス・マシンによるものでは?エンディングではタムによるリズムだけが残るのですが、更に遠くにディレイの掛かったフィルも聞こえてます。これもオーバーダブか?
(3)Fill Her Up
 イギリス臭さがプンプンするシンプルな佳作。ジェフはこの曲に対しては前二曲とは一転してタイトにリズムを刻むことに終始しております。ただし単純な8ビートにならないようにハイハットにアクセントを入れることでバリエーション感を表現しています。単純なこの曲でもバッキング・ギターは非常に練り上げたフレーズを多発しています。特に右チャンネルから聞こえてくる単音バッキングの感じが良好であります。こういう弾き方には痺れちゃいます。
(4)Something Special
 これも1970〜1980年代のイギリス風の香りを持った曲ですね。ジェフの深みのあるフロア・タムの心地良さが耳に残ります。サビの部分ではジェフはスネアを16分で叩くパートをうっすらとオーバー・ダブしており、非常に効果的な演出となっています。エンディングではジェフの声と思われる喋り声が聞こえますよ。何んて話してるんでしょうか? この曲でも凝った演出は特にされておりません。右チャンネルのギターも無造作にカッティングすることに終始しちゃってますし、ちょっと物足りなさを感じます。
(5)Welcome To Paradise
 本アルバム中を制作するにあたり初めに書き下ろされた曲だそうです。ジェフは"One-Hand-16notes"でこのレゲ調のリズム・パターンを叩き出しております。この曲に限らずですが、ベースを担当しているフレディー・ワシントンとのコンビネーションが非常に良好です。フレディー・ワシントンという名前に馴染みがないのですが、この人ってEarth, Wind & Fireの人なんですか?
(6)The Stars Didn't Show

 この曲でもジェフはどうやらドラムを複合トラックで叩いているようなのですが、どうでしょうか?それとも錯覚でしょうか? シーケンスとはちょっと思えないので、恐らくこの曲でもオーバーダブをしてるんだと思います。でもこの位重ねてしまうと殆んどツイン・ドラムと言ってしまって良いのでしょうね。ヘッドフォンをしっかりつけて深夜に大音量で聴いてみて下さい。その瞬間誰もがジェフの姿を思い描くことが出来るはずです。
 ジェフ自身はドラム・マシーンというものに割合否定的だったと思うのですが、いつの間にかすっかり自分なりの使用方法を開発しているようで、このアルバムでは自分の叩くリズムをサポートさせるという感じで非常に有効的に使い込んでいますね、驚かされました。ちなみに右チャンネルから聞こえるハモンド・オルガンがデビッド・ペイチですね。この程度のフレーズを弾かせるためにわざわざ呼んでしまうんだからレコーディング資金はかなり豊富に用意されてるんでしょうか?
(7)Green Eyed Monster
 前曲より間髪入れずジェフのフレーズで始まります。この曲でもジェフはお得意の"One-Hand-16notes"でプレイしております。パッと聴いた瞬間は普通の8ビートにしか聞こえないのですが、よく聴くと実は16分であるという、全くいつ聴いてもこのビートは心憎ばかりです。ギターソロ後のバースでは右にハイハット、左のチャンネルからは同時にシンバルでビートを刻んでるんですが、これも複合トラックの模様。
(8)Charity Begins At Home
 この曲で使用しているスネアは割と胴の深さが結構あるような気がするんですが、気のせいでしょうか? 素晴らしい抜け具合です。フェイドアウトする所で聞こえてくるリズム・トラックは別録音なのかな?
(9)Shine A Light In The Dark
 静かな導入分から始まるこの曲はライブで演奏されたらきっと大いに盛り上がるような、そんな曲です。ジェフのシンバル・ワークは本当に素晴らしいです。何度聴いてもこの繊細なタッチには唸らされますよ。
(10)Don't Break The Promises
 本アルバム中何となく他の曲と雰囲気がこれだけ違うな〜なんて思ってたら、この曲だけはポール・マッカートニーとの共作となっています。やはりどことなく違うものになるもんですね。ライナーノーツにあるように10CCが休眠していた時代にエリック・スチュワートがポールと共作したものに後で手を入れたものだそうです。

 初めてこのアルバムを聴いた時はかなり複雑な楽器構成で録音されていると感じたんですが、実際にライナー・ノーツに記されているパートを見ると非常にシンプルなことに驚かされました。それだけ各パートのフレーズが練り上げられており、旨いこと絡みあっているんだと思います。このセンスはゲイリーカッツというよりも10CCというバンド自体が持つ力なんでしょうね。繰り返し聞くうちに味が出てくる、そんなアルバムだと思います。
 
 ジェフ・マニアとしては当然この『...Meanwhile』は必聴盤でしょう! 10CCのアルバムとしてはどのような位置付けとなっているかは分かりませんが、私個人としては割合好きな部類に入ります。しかし、アルバム自体が米国では未発表であり、日本でも廃盤となってしまっていることを考えるとと世間一般的にはあまり評価されなかたのでしょうか? 私は幸運にも某レコファンにて低価格にて購入しました。何処かのサイトにもそのようなことが書かれていましたので廃盤とはいえ比較的簡単に入手できそうです。 とにかく一度(1)Woman In Loveだけでも聴くことをお勧めします。私としてはこの一曲の為だけに本アルバムを購入しても損はないと思います。

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