Session Works









Produced by TOTO
Label : CBS SONY INC / COLUMBIA
Release : October 1978
Records : 25AP 1151

track list
Side-A
1. Child'S Anthem (D.Paich)
2. I'll Supply The Love (D.Paich)
3. Georgy Porgy (D.Paich)
4.Manuela Run (D.Paich)
5. You Are The Flower (B.Kimball)

Side-B
1. Girl Goodbye (D.Paich)
2. Takin' It Back (S.Porcaro)
3. Rockmaker (D.Paich)
4. Hold The Line (D.Paich)
5. Angela (D.Paich)
album infomation
Engineered and Mixed by : Tom Knox
Recordists : Dana Latham and Gabe Veltri(Mastered by : Mike Reese and Ron Hitchcock at the Mastering Lab, Los Angeles, California
Recorded at : Studio 55, Hollywood, California
Additional Recording Locations : Davlen Sound Studios, North Hollywood, California and Sunset Sound, Los Angeles, California

Cover Art : Philip Garris
Photography and Design : Ed Caraeff Studio

TOTO Personnel :
David Hungate: Bass
Bobby Kimball: Vocals
Steve Lukather: Guitars, Vocals
David Paich: Keyboards, Vocals
Jeffrey Porcaro: Drums, Percussion
Steve Porcaro: Keyboards, Vocals
入手状況
2005年3月
 DSD盤がリリースされてます。お勧めです。
2001年8月
 問題なく入手できます。常時入手可能です。デジタル・リマスター版出ないんですかね〜。

ぽおじ譲二 2006.3.10
 なんで、これがこんなに下なの??(注*)
 George Porgyは最高傑作っしょ!!
 Girl GoodbyeやHokd The LineなどのロックなJeffも最高じゃないの!

(注*)管理人より.....、多分『今年の夏はポチっとね』のランクに対してですよね? ご連絡先が分かりませんでしたので、注釈を付けさせていただきました。
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TJ 2004.8.19
 たぶん小学5-6年生の頃です、私がTOTOに出会ったのは。
中学受験の勉強の傍らラジオを良く聴いておりました。
そこで「今度アメリカから凄いミュ−ジシャン集団がデビュ−します」
ということで紹介されていたのがTOTOでした。
1曲目を聴いた瞬間から「なんてかっこいいバンドだろう!」 しかもデビュ−・アルバムの1曲目がインストなんて、とかなり驚きました。
以来ずっとファンです。
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カルロス 2004.8.16
 ここからTOTOは始まるのだーーーー!
聴きどころはたくさんありますが、「Georgy Porgy」のブレイクの「間」、「Manuela Run」の2番のサビ前、「ゴンゴンゴゴンゴゴンゴンゴンッ」にはいつもやられます。
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管理人@Jeff's World 2001.8.5
 20年以上もの長い歴史を持つバンドを語る時、「全てはこのアルバムから始まった」な〜んていうフレーズがまさにうってつけなわけですが、残念ながらこのバンドにはそれは当てはまりません。特異な形態の歴史を辿りながら考えると、音楽志向が猫の目のごとく変化し続けて来たことは明確ですね。そう考えるとある意味この『宇宙の騎士』というアルバムはTOTOというバンドの輝かしいデビュー・アルバムであると同時に第一期TOTOサウンドの集大成といって過言ではないのでしょう。デビュー・アルバムと形容するにはあまりに完成しつくされたものであり、後の彼らでさえも、その完璧さをノリ越えることが出来なかったと思えるほどです。

 リリース直後において本国では「スタジオ・ミュージシャンによるオーバー・プロデュースなアルバム」などという酷評を“評論家”からは受けたわけですが、しかし賢明な音楽ファンの市場により支えられた彼らの人気は瞬く間に上昇し、一気にTOTOというグループをスーパー・スターの仲間入りへと導きました。個人的にはこのファースト・アルバムがやはりTOTOのベスト・アルバムだと今でも信じております。セールスを意識してのアルバム作りという側面も抱えていたのかもしませんが、あまりに完璧とも言えるその出来は『TOTO IV〜聖なる剣』とは違う意味で驚異的な輝きを放ち続けているのではないでしょうか。

 彼等のインタビューでも明らかなように、このセッションでは恐らくは 25曲前後の録音が行われたか、又は試みられたようです。近年になり兼ねてから噂となっていたアルバムの初期リミックスを収録したブート音源が市場に出回ったことで、当時のレコーディングの様子が少し浮きぼりとなりました。これらの中には数曲の未発表音源の含まれており、 "Joker's Back" などはセカンド・アルバム『ハイドラ』に収録されることになる "St. George And The Dragon" の元ネタ曲のように聞こえます。曲の完成度具合から考えるとかなりラフな 段階のもののようで、本格的な録音は試みられなかったようですが......結局はこの後にリメイクされることになったのではないでしょうか。
 またタイトルが不明なインスト曲がありますが、これは歌さえも録音されていないものですから......、録音途中で放棄されてしまったのかも知れません。
 それともう一曲 "Gift With A Golden Gun" のデモらしきモノも登場していますが、どうもこの曲も各メンバーの弾くフレーズ、音質から等から判断すると『ターンバック』のセッションというよりは、やはりこの『宇宙の騎士』のセッションで初登場した曲だったのでは?、と思います。

 正式リリースされた『宇宙の騎士』はリミックスには9ヶ月をかけ、24チャンネルのミキサー卓を2台も接続した上で、当時の最新テクノロジーをふんだんに駆使して完成させたわけですが、しかし出来上がった音質は輪郭がぼけたようなドロ〜んとしたような仕上がりとなってしまっています。おそらく最もベーシック・トラックに近い状態で録音が完了してしまったであろうジェフやデヴィッド・ハンゲイトのベース・プレイに至っては若干輪郭が沈み込みがちであるので、そういった意味で先の初期リミックス・テイク集は埋もれてしまった音を掘り起こすのこともでき、またいかにしてTOTOというグループが彼らのファースト・アルバムを仕上げていったかを知る上でも興味ある素材かとも思います。

 アルバムの幕開けとなったのは(A-1) Child's Anthem という何ともジェフらしい楽曲です。この1曲だけで彼らは自分達の音楽を見事に表現してしまった、とも言える素晴らしいものですね。いきなり裏で始めちゃうんですもん......。後に一世を風靡することになる "Goodbye Elenore" のリズムパターンも既にこの時点で披露されていたわけです。

(A-2) I'll Supply The Love
 アルバムからのセカンド・シングルとなったかなりポップなチューン。今聞くとちょっと気恥ずかしい程ポップ過ぎる歌詞も気になります(__;)。しかしそれも後半のブレイク後に登場する力強いリフで全てが帳消しとなります。その部分では例のTOTOブラス・サウンドが早くも登場しております。最後のリフレインに入るところで左チャンネルより“ピッ”という電子音が入りますが、これは意図的に挿入しているのでしょうが......、

(A-3) Georgy Porgy
 後にいくつものカバー・テイクが登場する名曲。彼らのライブにおいては必ず演奏されていたことを考えるとTOTOのメンバーも相当気に入っているのでしょう。ツアー毎に違ったアレンジを加えた演奏で我々を楽しませてくれることになります。
 曲の後半部分でフューチャーされるシェリル・リンのヴォーカル・パートはあまりに有名。この黒っぽさはボズ・スキャッグスからの影響なんでしょうか? アイディアとしては"Miss Sun"と被りますが、この辺のセンスは抜群にカッコイイとしかいいようがないですね。ジェフは"One-Hand-16note"でプレイ。

(A-4) Manuela Run
 これまたデビッド・ペイチのペンによる素晴らしいポップ・チューン。比較的地味な部類に入る楽曲だと思いますが、非常に人気の高い楽曲です。作曲者のデビッド・ペイチの才能に寄るものがあるのか、単なるポップ・ソングになっていなのがTOTOらしいところです。

(A-5) You Are The Flower
 数少ないボビー・キンボールによる作曲。このアルバムでのスティーブ・ルカサーのプレイは (A-4) Maunela Runに代表されるように非常にジェイ・グレイドンからの影響を強く受けているようで、フレーズ的にも、細かくハーモナイズされたアレンジからも伺えます。セカンド・アルバム以降においてやっと彼本来のスタイルを確立して行くことになるわけですが、この頃は若干21才、まだまだ修行の最中と言ったところでしょう。非常にスタジオミュージシャンらしいソロを弾いていますね。
 ここでもジェフは"One-Hand-16note"でプレイ。2番のサビで入る“ダ・チーチーチー”がかっこいい!
 ブート音源からも明らかなようにこの曲のエンディングはフェイドアウトではなく、きちんとしアレンジされたエンディングがあります。おそらくTOTOの場合は殆どの曲がレコーディング段階からエンディングのアレンジまで施されているのだと思いますが、いろいろな理由から判断されてレコードには収録されないことになるのでしょうね。ここでのアレンジはなんて物凄くかっこいいのに、残念。もったいないです。

(B-1) Girl Goodbye
 ジェフの組み立てた複雑なリズム・パターンが縦横無尽に走り抜けるハードロック・チューン。この曲におけるジェフのプレイは凄いですね。まず基本となるリズム・パターンですが、下手にプレイするとドタドタするばかりで曲全体を台無しにしてしまうわけですが、複雑なパターンであることを微塵にも感じさせずに実にあっさりプレイすることで、素晴らしいノリを演出しております。まさにジェフ・フォロワー泣かせの一曲でしょう。
 後にこの曲も幾多のボーカリストが歌うことになりますが、やはりボビー・キンボールのバージョンが一番安心して聞いていることが出来ます。
 なおイントロダクションは別録音されれたもをミックス段階で重ね合わせたものです。

(B-2) Takin' Back
 各アルバムに一枚のスティーヴ・ポーカロ・シリーズの始まりがこれです(笑)。この人の書く曲って私としては非常に聞いた数が非常に少ないのですが、しかしそのどれもが素晴らしいマテリアルばかりです。どの曲にも "Oriented" な香りがあり好きです。

(B-3) Rockmaker
 よく聞くとかなり緻密にオーバーダブが行われたであろうロック・ポップ・チューン。ハイトーンのハモリが実に心地良いアレンジが施されています。他の曲と比較するとかなりストレートに仕上げられた楽曲。初期リミックス・テイクでは生き生きしたベース・ラインを堪能することが出来ます。

(B-4) Hold The Line
 TOTOの代表曲と言えば"Rosanna"と二分するのが、やはりこの "Hold The Line" ですね。あまりに象徴的なその3連フレーズが名曲と言われる所以なのでしょうか? 3連フレーズの曲は他にも沢山ありますが、それらと一線引いているのがジェフのこの曲の為に考えだしたリズム・パターンです。どのようにしてこのリズムパターンを捻り出したかはジェフの教則ビデオにて彼自身が解説しているので、そちらを参照していただくとして、このジェフの叩き出すリズムは何度聞いても感心してしまいます。この心地良さというものをいとも簡単に作り出せる人はそう多くはないはず。他のドラマーでは絶対に真似出来ない独特のノリ......もうこうとしか説明のしようがないです!

(B-5) Angela
 アルバムの最後を飾るのはドラマチックなバラード。よく考えるとこの頃からバラードものはスティーブ・ルカサーが歌うというパターンが非常に多かったわけですね。選任のリードボーカルになるのはこの遙か後になるわけですが、この時点ではジェフのお眼鏡にかなうまでのレベルに到達していなかったのか?
 (A-5) You Are The Flowerと、同様素晴らしいエンディングが録音されているのですが、やはり最後がフェイドアウトしてしまっているのは残念としか言いようがありません。

 よく"洗練された"という言葉で評価を受けるこのアルバムですが、私的にはかなり泥臭さが滲み出た非常にソウルフルなフィールを体全体で感じ取ることが出来ます。10代でスタジオでの仕事に就きそこから吸収した数々の経験をフルに生かしたことで、新人バンドのデビューという殻を大きく突き破った異色の出来の作品だと思います。

 なお同時期に録音されたと思われる "Mrs.Johnson"、"Miss Sun"、"Love Is A Man's World"についてはこちらの頁を参照してみて下さいませ。
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